団塊の来し方行く末

昭和22年団塊世代。 緑内障が進行し、誤字脱字・誤変換が多いブログですが、ご容赦ください。 オーディオ好きが高じて、定年後に音楽喫茶を開店して11年です。 ジャズ・オーディオ雑誌にも何度か掲載された音の良い隠れジャズ喫茶でしたが 2020.3月に閉店しました。長年のご愛顧に感謝申し上げます。

2017年10月

権力の横暴が始まった。
 
「丁寧に、真摯(しんし)に対応していく」と、選挙中に繰り返していたのは誰か?
選挙が終われば、早速、化けの皮をむき出して、オオカミに変身したのが自民党である。
 
自民党は、従来の国会慣例を変更し、国会審議の質問時間を、議席数に応じて割り当てると主張し始めた。
菅官房長官も、<当然の話しだ。>と口を挟む始末には恐れ入る。いつもの菅なら、<それは国会でお決めになることで、行政府は関与しない>とコメントを控えるものだった。
よほど、森友・加計問題を蒸し返されたくない思惑が透けて見える。
 
野党は大反発し、臨時国会冒頭から不協和音が立ち始めた。
 
民主党政権時代も、野党に下野した自民党には質問時間を手厚く割り振る慣例は踏襲されていた。
少数意見に「丁寧に、真摯に」対応し、尊重することは、議会制政治で権力を担うものの常識でもあった。
 
本来なら、少数政党の公明党が大反対に回り、権力の暴走を内部で抑制する役割を担うべきだが、反対の声が聞こえない。
何故なら、公明党は連立与党にあるため、自民党から質問時間を譲り受ける恩恵を与えられているからだ。ここまで権力にひれ伏す少数政党は無用である。
 
国会は立法府であり、法律を作ることが主務である。次に行政の監視役として不正を糺すことにある。
法律を作る際に、一定の審議時間を経過すれば採決することになっている。その限られた審議時間で、自画自賛の与党の時間で多くが費やされれば、問題点の解明解明は不可能となる。
同様に行政の監視も、与党ぐるみの隠ぺいで、国民の耳目から遠ざけられる。ますます安倍晋三の独裁が強まるばかりだろう。
権力者たるもの、堂々と他党の批判に胸を出して受けるべきで、数の力で押し通すことは、民主主義の理念を損なう行為だ。
 
国会審議のテレビ中継は、クダラヌ番組ばかりにあって、暇な老人の楽しみでもある。自公の質問は、安倍政権へのおべっか,追従ばかりで、自画自賛の手柄話で面白くもない。
問題提起や追及は野党の独壇場だから、追及される権力者としては、出来るだけ口封じさせ、時間切れの尻切れトンビで終わらせたい。
そんな意図が見え見えの議席数に応じた時間割り当てである。

野党は政権党にならずとも、権力の横暴を監視する重要な役割がある。立憲民主党と共産党には大いに活躍していただきたい。

政治家に望むこと
 
台風一過。吹き返しの風があるものの、すっかり秋めいた青空が朝から広がっています。
10月がこれほど長雨だった記憶はなく、ウンザリして過ごす毎日でした。
長雨のおかげで、店は連日開店休業状態。町の商店街は閑古鳥が寂しげに鳴き、シャッターを下ろす店も増えました。
 
それもこれも、全てがアベノミクスのせいだとは、云いませんが、世の中の変貌はすさまじく、金融至上主義の経済政策が、日本人の古き良き時代の価値観を破壊していることは間違いないと思います。
 
自民党は保守派でしょうか?
保守とは古き伝統文化や習慣、制度を護り、急激な変化に反対する立場だとすれば、自民党が進めた政策は変革以外のなにものでもなく、里山は荒れ野とかし、田畑は宅地と工場用地に変貌し、町中の道路は郊外に迂回するバイパス道と大店舗に客足を取られ、シャッター街化してしまいました。
そんな高度成長期の流れは終息しましたが、安倍晋三は、そんな時代を取り戻そうと、金融大国バブル経済を扇動してきました。カネ持ちと貧乏人の格差は広がるばかりで、非正規労働者は固定化され、明日の希望もない状況です。
 
アベノミクスの結果は、製造業の新たな設備投資が一向に進まず、生産の効率化のため、地方に分散してた工場を閉鎖し,集約化する動きが加速されています。儲けは内部留保されるばかりです。
 
高度成長期は、地方に進出した工場が農家のおとうちゃんの職場を提供し、出稼ぎなしに<三ちゃん農業(じいちゃん、ばあちゃん、かあちゃん)>の農業経営を支えていました。
工場の海外移転に伴い、日本のモノ造りの産業は空洞化し、一家の主が近郊で働ける工場が徐々に閉鎖されて行きました。
農家の働き手は、働く場がないので都会に移住し、地方は<じいちゃん・バアちゃん>だけが取り残され過疎化が進みます。
 
この間の日本の原風景の崩壊を、自民党政権は無策のまま放置し、今になって、<美しい日本を取り戻す>などと空疎なでたらめを安倍晋三は言っとりますが、どうやって、どのような日本を取り戻すのか?ボクには自民党が描く未来像が全く分かりません。
 
とは言え、ほかの政治家も似たり寄ったりで、日本の未来像を明確に示す政治団体は見当たらない。
どうせ現状維持で流れに任せるなら、自民党でもいいや・・・と思う国民が大多数なのでしょうか。
 
この国を護るために安保がどうのこうのとか、うんざりです。
経済優先の儲け主義社会も、日本の伝統文化を破壊しています。
 
小池百合子の口癖の<立ち止まって考える>ことは重要にも思います。
国会は権力闘争ではなく、真剣にこの国とこの国の国民の将来を見据えた議論を積み重ね、政策論争を行って欲しい。
少なくとも、自民党から共産党まで、全ての政党は、国民から選ばれた代表者です。
共産党と一緒だから嫌いだ。は国民を差別することと同じです。少なくとも共産党議員も国民が選んだのです。
 
枝野幸男じゃないけど、右だ左だと、色分けしてたんじゃあ、まともな話は出来ません。だから排除する希望の党はダメなんです。
自民党は口先だけの丁寧な説明ではなく、まともな国会討論の上で、国家政策をまとめて行って欲しいと願っています

アベノミクスがモノ造り国家を破壊した
 
東芝・日産・スバル・そして神戸製鋼所。
相次ぐ会社ぐるみの検査データー改ざんは、匠の技が築き上げた<日本のモノづくり>の伝統と信頼を揺るがす事態となっている。
 
ボクも神戸製鋼所と似た業態の日本鋼管(現在JFE)で、モノ造りに携わってきたので、神戸製鋼の検査データー改ざんの報道には驚かされた。
事務屋の場合は、いい加減でルーズな面もないではないが、ボクが知る限りの技術屋さんは、正確さを重んじ、ルールに厳格に従う真面目人間しかいなかった。
 
鉄鋼製品の場合は、ミルシートと言って材料証明書が製品に添付され、そこには、製造ロット番号ごとに規格値と製造実績値・機械的強度・化学成分など試験データが記載されている。
納入製品にはロット番号とJIS規格が印字されているので、受入検査でミルシートとロット番号を照合することで、正しい材料が納入されているか否かわかる仕組みになっている。
通常は、不合格になるのを恐れ、JIS規格値より、幾分か強度を増した許容値内を狙って製造され、最低でも規格値は満足したものが出荷される。
そのミルシートが、長期にわたり、会社全体で安易に改ざんされていたのだから、素材製造メーカとしては謝って済む問題ではない。
 
ロケットでも自動車でも新幹線・ジェット機でも、最終製品としての強度は、安全性を考慮して素材強度以上の安全率を加算することが要求されているため、素材がJIS規格を多少下回っていても直ちに問題を起こすことはない。
神戸製鋼所の素材供給部門が、規格外製品を合格品として安易に出荷した理由は、最終製品に使用される一部の素材製品だから、出荷してもまず不正が簡単にはバレないとタカをくくっていたからだ。
 
しかし問題は、使用中に繰り返して加わる力が、その金属の弾性限界内であっても、繰り返して力をくわえられると、<繰返し応力による金属疲労>で破壊する現象が生じる。
そこで飛行機や新幹線などの部品は、ある一定の使用回数に達すると部品交換することをマニュアルで義務付けている。
神戸製鋼所のような強度の下回る部材は、このマニュアル使用回数以下で、金属疲労の限界を超え、突然破壊して事故を起こす可能性がある。
幸いにして、目に見える事故は発生していないようだが、工業製品の安全性にかかわる根底の問題で深刻にとらえるべきだ。
過酷な言い方だが、神戸製鋼所は、モノづくりの資格もなく、会社を閉鎖するしかないくらいの取り返しのできない事態である。
 
神戸製鋼は多種多様な素材を供給するデパーとのような企業である。素材供給だけではなく、コベルコのクレーンなどの重機械も製造するユニークな企業として知られ、最近では四国電力に匹敵する発電・売電事業も手掛けている。
歴史もあるし、特殊鋼分野では他では入手困難な製品もある。
何故、このようなJIS規格を下回る製品が、規格合格品とされて市場に出回っていたのだろうか?しかも全社的にルーズな検査が横行していた。
製造業にかかわっていた者として、到底納得できないし、信じられない出来事だ。日本のモノ造りはそんなものかと思われては、他の製造業が大迷惑だ。
 
一言で言えば、<ガバナンスの欠如>とされてしまうが、神戸製鋼所全体が、特異な検査を許容する企業風土が根付いていたとしか考えられない。
 
同様なケースは、東洋ゴムの<防振ゴム>の検査不正により強度不足の製品を供給していた事件を思い出す。
東洋ゴムの場合も少量多品種生産が原因で、製品単位が分散化し、少人数しか製造工程にかかわっていなかったため、会社のガバナンスの眼が不正行為まで行き届かなかった。としている。
東洋ゴムのケースは、全社的な問題というより、少量多品種の特殊の職場に起こった現象だが、神戸製鋼所の場合は、全社に広がる検査不正だから悪質である。
 
神戸製鋼所は、少量多品種生産で成り立っている企業で、商品単位で言えば、中小企業が寄せ集まって出来上がった大企業のような存在だ。
たぶん神戸製鋼の社長であっても、主力の加古川製鉄所以外のちっぽけな工場などどこに散在しているのかも知らず、夫々の製造工程すら理解していないと思われる。
 
それは、ニッサンを束ねるカルロス・ゴーンも同じことで、むかしの本田宗一郎のように部品から製造工程の隅々まで熟知した経営者など、今の大企業の社長には皆無ではないだろうか?
ホンダと言えば、ソニーの創業者の井深大と森田昭雄も、優れた技術者だからこそ、世界のソニーの信頼を得ることができた。
 
今ある大企業の多くは、過去の遺産を食いつぶして生きているようなガラパゴス化した存在だ。
内部留保がいくらあっても、未来投資など思いもよらず、知恵もない。冒険してリスクを負えば、投資家から退場処分の宣告を受けるだけ。高い経営者の給料をもらうには、冒険せず利益を出し続けることしかない。
 
こうして現在の日本の製造業は、どこもかしこもモノづくりの屋台骨が腐りかけてしまった。
東芝の不正経理もそうだが、今の経営者は金融市場での企業格付けに日夜ビクビクしている。
製造部門には、年度ごとの利益目標のみ課し、達成することだけを労働目標に掲げている。
次に重視するのは、安全と労働管理で、品質管理は当たり前すぎて、見過ごされているのではないか?
企業では、品質管理部長などは名目だけで、技術屋の本流からも、出世街道からも外れた定年前の最終職場化している。
 
安倍晋三は、成蹊大学卒業後、親のコネで、神戸製鋼所に入社している。
安倍は、サラリーマン時代を振り返り、「お酒が飲めなかったから、その代わりに宴会芸をやっていた。時には現場の人に無理なお願いをすることもあるので、関係をつくっておくことが大事だった。人間関係を構築するには宴席も大切」と語っている。
当時の労務管理は、労働組合も強く、戦前からの「ニコポン」政策が底流にあったようだ。ニコポンとは、<ニコニコしながら相手の肩をポンと叩き、親しげにすることで人を懐柔したり、人に物を頼むという処世術>である。
安倍が学んだのは、加古川のニコポン労務管理なのだろう。
だいたい、<酒を飲ませて、無理なお願い>をする企業なんて、ロクな企業ではない。生産管理・工程管理がしっかり出来ていれば、現場に無理など課すことはないからだ。
当時のボクが働いた日本鋼管の現場を振り返っると、<3ムをなくす>ことが標語だった。<3ム>とは、ムリ・ムダ・ムラを排除する運動だった。<酒を飲ませて、無理なお願い>した思い出など自慢にもできない恥ずかしい話である。
神戸製鋼の検査不正は、昨日今日の話しではなかったようだから、安倍のモノづくりの体験談は、神戸製鋼所の企業体質を物語っている。

その安倍晋三は、東芝・神戸製鋼の不正に対して、「日本の優れたものづくりや、失われた信用を取り戻すべく、政府と産業界が一体となって取り組んでいく」と述べている。
 ボクは、ふざけんじゃないよ!!!!と怒り心頭である。
日本のモノ造りの伝統を破壊し、金もうけ一辺倒の金融市場に変革させた張本人は安倍晋三、あんたじゃないか。
 
アベノミクスの三本の矢の柱は、大胆な金融緩和・円安導入だった。
それで企業の業績は改善し、雇用の拡大や所得の上昇が起こり、消費の増加をもたらすことが期待され、「経済の好循環」を実現し、景気回復を行う。と安倍晋三は鼻高々だった。
 
企業家も、労働者も、目先の利益拡大が最優先される社会をアベノミクスは煽り、製造業にこのような不正を助長させたのが、安倍政権の5年間の成果である。
政治が経済に必要以上に介入し、利益優先を奨励した結果、日本の伝統的なモノづくりの信頼が根底から崩れてしまった。
 
東芝の会社ぐるみの不整経理、神戸製鋼所の日常的な検査のごまかし。それは政治家が間違った利益最優先の経済政策を行った結果の副産物ではないだろうか?
 
 

日本共産党はなぜ保守から嫌われる
 
自民党・公明党・維新・希望の共通点は、<反共産党>である。
明確に言えば、<共産主義>を排除する保守共同体と云うべきだろう。伝統的保守派の特徴は、資本主義の敵は共産主義だということで一致している。
希望の党が第二自民党と言われる所以は、極論すれば<反共>を旗印にする政治団体だからである。第二自民党と言われたくないなら第二公明党でもよい。
 
では忌み嫌われる共産党は、それほど怖い存在なのだろうか?
 
ボクラの学生時代の経済学は「マル経」と言ってマルクス経済学一色だった。高等数学を駆使する「近経>と称するケインズ近代経済学を教える教師や大学は数少なく、共産主義の支柱であるマルクスの資本論を読破することなくして経済学の単位は取れなかった。
 
小池百合子が好んで使う, アウフヘーベン(aufheben)というドイツ語は、ヘーゲルの弁証法哲学で使われた言葉だが、マルクスの弁証法経済学においても人類の進化はアウフヘーベン抜きには説明できない。
端的に言うと資本主義の矛盾をアウフヘーベンした先に共産主義社会が実現する。資本主義は歴史的な過渡期にあるといった考え方とボクは理解していた。
だがソ連崩壊やベトナムに見たように共産主義社会は理想郷とは程遠かった。
資本主義の矛盾を克服する道は、高度福祉社会が現実的には理想郷だとボクは思っている。つまり生産手段の国有化はありえず、富の再配分が政治家の最大の課題だと。
 
<貨幣は労働者を奴隷にする。>とマルクスは言った。
喜劇王チャップリンはモダンタイムスの映画の中で、回る機械のギアの一部にされた労働者を演じ、資本主義経済を風刺してみせた。資本主義社会を笑い飛ばすチャップリンは、アメリカ政府の<赤狩り>により入国禁止処分を受けている。
 
資本主義を擁護する保守派が恐れるのは、労働者階級が覚醒し、資本家に不当に搾取された奴隷だと共産党に扇動され、暴力的革命で資産家が追放されることであった。
 
民進党は、共産党との選挙協力を進めたので、確信犯右翼の小池百合子は、希望の党の入党資格に、<反共産党>の踏み絵を科し、第二自民党を宣言する。
その象徴的事件は、自衛隊の海外派兵を可能とする安保法制に反対した議員が賛成に回るかどうかの誓約書にあった。
 
紆余曲折はあるものの、小池百合子に排除される前に、枝野幸男は新党立ち上げを決意した。最大の目的は、排除される仲間の受け皿になるためであった。
更には、立憲主義を軽んじて作られた憲法違反の安保法制に賛成するなど、政治家の前に法律家としての思想・信条から、絶対に受け入れられなかった。
小池は反共・親米の筋を通し、枝野は立憲主義の筋を通した。
だがボク流に云うなら、小池百合子は、既成概念からパラダイム変換ができないコチコチ頭の右翼反共主義者にしか思えなかった。
 
その立憲民主党は、日本共産党に親和的な政党だから、俺たちの仲間じゃない。一緒にはなれない。と自公・維新・希望は口を揃えて排除している。
ボクから見れば、無知蒙昧のヤカラによる偏見・差別的なイジメに思えてならない。
枝野幸男は、明確に<共産党と連立政権を組むことはない>と明言するが、自公・維新・希望は、ことあるごとに立憲民主党=アカ>のイメージ造りの共同戦線を張っている。
 
ではなぜ、<日本共産党>は保守勢力から毛嫌いされるのか?それほど怖い政治集団なのか?である。
 
かつての日本共産党は、<暴力的手段による共産革命政権>を樹立することを党是としていた。戦後すぐの共産党は、天皇制を廃止し、日本にブルジュア革命を起こす暴力的革命集団と考えられていた。
 
だが現在ではそれを否定し、国民の合意を得て国会の安定的多数を得た政党となり、社会主義的変革を目指す方針に変更している。
しかし、政権を担った暁の政策について、具体的に社会主義・共産主義社会での憲法改正、軍備、議会、私有財産制などがどう変わるのか、明らかにしていない。
政権を担った際の具体的な政策は不明瞭だが、現在の主張点は以下が挙げられる。
 
対米従属路線は廃止し、真の独立国家として、日米安保条約は廃棄。新たに対等な日米友好条約を結ぶ。アメリカ軍とその軍事基地を日本から撤退させる。
日米安保廃止までの当面の課題は、日米地位協定を抜本改定し、主権国にあるまじき米軍優遇の特権をなくすために力をつくすとしている。
 
天皇制は現行憲法の範囲内で容認される。将来的には国民の多数の合意により憲法改正で廃止される。
 
自衛隊は、アメリカ軍の従属的な掌握下にあり、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意で憲法第九条の完全実施。自衛隊の解消に向かっての前進をはかる。
 
議会制民主主義については、「資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる。」「さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される。「社会主義」の名のもとに、特定の政党に「指導」政党としての特権を与えたり、特定の世界観を「国定の哲学」と意義づけたりすることは、日本における社会主義の道とは無縁であり、きびしくしりぞけられる。共産党一党独裁の否定。
 
資本主義については、大企業・財界を代弁する政党ではなく、資本主義の枠内で民主的な改革を行う。
 
私有財産については、「社会主義的変革の中心は、主要な生産手段の所有・管理・運営を社会の手に移す生産手段の社会化である。社会化の対象となるのは生産手段だけで、生活手段については、この社会の発展のあらゆる段階を通じて、私有財産が保障される.」
個人的に蓄積した財産は保障されるとしている。
 
以上のように、現在の日本共産党は、ソ連崩壊を受け、資本主義を肯定する立憲・議会民主主義の枠内で、政権獲得を目指す政党に脱皮している。
当面の日本共産党の政策は、現代日本資本主義社会が抱える様々な矛盾を解消することであり、そのためには、議会制民主主義の枠内で、国民の大多数の支援を受けて権力を握ることにある。
しかしながら、科学的社会主義を党是とし、国民を不当に圧迫する独裁政権が誕生した時は、国民の権利として革命を許容している。
 
現代日本の最大の矛盾は、独立国家として対米従属を脱し、大企業の支配に対峙する民主主義体制変革を成し遂げたうえで、将来的には社会主義的変革を目指す二段階革命論を堅持している。その手段は、議会制民主主義であり、暴力的革命ではない。
 
以上を冷静に見ると、自公・維新・希望が毛嫌いする理由が理解できない。
すなわち、日本共産党は、現在の資本主義・議会制立憲民主主義を肯定し、暴力革命で社会主義国家を建設することは放棄しているからだ。
現に、現在の共産党の地域活動は、熱心ではあるが穏健で、西側諸国最大の30万人の党員を抱え、東京では約60万の基礎票を持つ大政党となっている。
 
共産党というと、ロシアのプーチン、中国の習近平主席のような強権的一党独裁国家を思い浮かべ、汚職が進む言論弾圧国家のイメージが付きまとう。
ボクは、共産主義者でもないし、共産党員でもないが、地域で活動する多くの共産党員とは、何の偏見も持たず議論を交わしている。
皆さんガンコな一面があるものの、共産主義が抱える理想社会を信じる真面目な市民である。
 
自民党・公明党・維新・希望の党が、意識的に擦り付ける共産主義の悪夢は、右翼勢力が、ためにする過去の「共産党の恐怖」で、正しく理解すれば<幽霊の正体見たり枯れ尾花>で怖くもなんともない。。
 
北朝鮮という特殊な隣国が存在するから、現実的な対応を取らざるを得ないが、正常な状態なら、共産党が唱える「独立国家として対米一辺倒の追従は止めよ。対等な日米条約締結。核廃絶。日米地位協定の抜本改定」は当然のことだと考える。
 
 
枝野幸男の立憲民主党は、共産党と親和的な左派政党でいいと思っている。(左派とは、資産家・資本家ではない庶民・労働者の立ち位置)
立憲民主党は、右翼連合によるアカのレッテル貼にすくむことなく、庶民の立ち位置を堅持するために、共産党を排除することなく、野党連携の選挙協力を推し進めるべきである。
さもなくば、小選挙区制度では、自民党一党独裁に対抗する勢力にはなれないからだ。

これからの野党
 
民進党が3つに分裂した選挙は、結果的に改選前より、合計すると11議席増える効果となった。
割を食ったのは、共産・維新・それに公明党である。
同じ民進党出身でも、無所属組は現状維持。希望に走った議員は大惨敗。立憲維新が大躍進となった。
 
この結果は、どのように捉えればいいのだろう?
 
自民党と立憲民主党以外は、どの党も議席数を減らした。
つまり自公政権に批判的だった国民(無党派層)は、第二自民党的存在の公明党・維新・希望を敬遠し、共産党でもなく、立憲民主党に期待した。
組織地盤が脆弱な維新と希望の党は、自民党とどこが違うのか?
明確な理念や政策の違いが見いだせず、自公政権への対抗馬にはならないと無党派層は判断した結果である。
また、共産党と公明党は、底堅い両党の支持基盤だけに留まり、不動票まで支持が広がらなかった。これが共産党と公明党の限界だろう。
 
第二自民党は維新のように、改憲に必要な32以上を持ってしまった自公政権をさらに補強する役割しかない。
権力の暴走を食い止める役割どころか<自公の太鼓持ち>。かつてはこれを<幇間・茶坊主>と呼んだ。つまり、自民党を担ぐゴマスリ連中である。
自民党公認のコバンザメ政党はすでに存在するから、これ以上必要ない。
 
ドブに落ちた希望の党は、みじめである。
共同代表に選出される見込みの大島敦(前民進党幹事長)は、私の会社員時代(JFE.旧日本鋼管)の後輩だが、取り立てたてた功績もない穏健な中道派なので、暫定的な選挙管理者に過ぎないようだ。
 
それよりも、希望の党に移籍した旧民進党残党の小池百合子批判は、世間の顰蹙を買っている。
小池百合子人気を当てにし、前原誠司に付和雷同した浮気者たちじゃないか。彼らは当選目当てだけだから、主義主張もなく、小池百合子の踏み絵を簡単に踏んだ挙句に、自滅したに過ぎない。
女々しいというか、小池百合子にすべての敗戦の責任を擦り付ける情けない連中というしかない。
 
それでは、国民(無党派層)は、どのような政党を望んでいるのか?
 
自民党を、資本主義国家の資本家の利権を護る政治集団と定義するなら、対立軸は、資本主義国家の非資本家(庶民・労働者)を護る政治集団となる。
非資本家(庶民)は、資本主義を否定するものでもなく、資本主義を肯定しながら、資本主義社会を下支えする労働者階級だと定義できる。労働者は、革命を起こし、資産家を追放しようとは考えていない。
立憲民主党には、労働者を覚醒して革命家予備軍にする発想はない。大多数の日本人は、事業家にならずとも中流階級に踏みとどまり、幸せな家庭を維持できれば満足だ。
そこが、将来的に資本主義から共産主義に歴史は、アウフヘーベンすると考える共産党との違いである。
しかし、自公だけじゃなく、維新・希望までも、立憲民主党を共産党と同類項に封じ込めようと躍起となっている。
 
理想の国家像は、共産主義ではなく、資本主義の下での高度な福祉国家による<四民平等・格差のない社会>ではないだろうか。
理想像は北欧4か国である。庶民が求める日本は、安心して、働き甲斐ある未来社会である。それが達成できれば、少子高齢化・人口減少など解消できるだろう。
 
働き先は、国有企業ではなく、競争原理の民間企業である。競争社会である以上は、敗者があり、落ちこぼれが必ず出る。労働者は自ら求めた失敗ではなく、会社が潰れれば、敗者の仲間に入り込む。
競争原理から落ちこぼれた弱者を救う制度がないと、資本主義も崩壊する。
 
自民・公明・維新・希望が行なってきたことは、いわゆる自民党的保守に対抗する勢力を、<アカ・共産主義>と印象操作し、国民に恐怖感を植え付け、排除することであった。
その結果、日本では、資本主義を肯定する労働者階級の庶民政党はことごとく<レッド・パージ>で潰され、離散・融合の果てに民進党がかろうじて残された。
その民進党は、共産党との選挙協力を野合だと批判され、政権交代不可能なダメ政党との焼き印を安倍晋三から押されてしまった。
耐えきれずに離党したのが細野豪志や長島昭久らで、ついには党首の前原誠司まで、希望の党の小池に党ごと身売りする事態となってしまった。
 
枝野幸男の立憲民主党は、資本主義を否定する考えはない。共産党とも連立政権を組む考えもない。しかし、一党他弱に対抗するためには、野党共闘の選挙協力は戦略的に不可欠だ。
目線は庶民・労働者階級にあって、労働者に儲けの利益配分を厚くし、格差をなくせと主張する政治集団を目指していると、ボクは理解している。
小池百合子的に言えば、民進党でなしえなかった夢をリセットすることである。
 
最終的な目標ラインは、高度福祉国家ではないだろうか?
自民党との違いは、福祉を資本主義の<恩恵>と考えるのか、働く者の当然の<権利(利益配分)>と考えるか、ではないかとボクは思う。
自民党的に言えば、<利益なきところに恩恵無し。>まずは資本家にタップリと肥料を施し、太らせれば、自然に<天からカネは落ちて来る>。それがアベノミクスだった。
 
だが。結果はどうだろう?
金融市場は確かに膨らんだ。企業の内部留保は300兆円を超えた。だが一向におカネは庶民・労働者には落ちてこず、資本家だけが太り、賃金は凍結されたまま、貧困層はどん底状態から抜け出せない。
例えば、子育てを支援する保育士の給与では、自分の家族も養えない薄給だ。自公の政策では、格差の是正は出来ず、広がるばかりだ。
 
小池百合子は、悠長に立ち止まって考え、日本社会をリセットするというが、どのようにリセットするのか展望を示さない。
ベイシック・インカムなどとノー天気な横見字でごまかすが、全く日本の現状には合わない絵にかいた餅。
例えば、北欧のように、高い税金負担で確かな高度福祉が達成された国家なら、貧困から抜け出せない家庭への一律給付は可能だろう。
日本流に云うなら、国民年金・厚生年金の一元化が先だろうが、小池百合子は、簡単にリセットし、ベイシック・インカムが可能だと話を飛躍させている。これが小池流のパラダイム・シフト(発想の転換)によるアウフヘーベンらしいが、そんな簡単にできるものではない。
こんな浮ついた外国カブレに希望など抱けるはずがない。
 
小池百合子の参謀役・若狭勝は引退を表明した。もともと政治家として、どんな日本を創りたいのか理想も信念もないから、落選=引退でもサバサバしたものだ。
これが希望の党の立ち上げの責任者だったのだから、国民が希望に下した判定は間違いではなかった。
 
以上、述べたように、日本に必要なのは、自公的、上から目線の福祉政策ではなく、庶民・労働者目線の福祉国家政策だと思う。
枝野幸男には、第二社会党と揶揄されようが、過去をリセットした健全な社会主義の民主政党を目指して欲しいと願っている。

保守二大政党・立憲民主党に期待すること
 
野党分裂選挙の結果、安倍内閣支持率より不支持率が高かったにもかかわらず、自公政権が改憲可能な3分の2の議席を獲得してしまった。
 
国民の意思を正確に反映しない議会制民主主義は、イビツな独裁政治を許容する。安倍政権で日本国民が不幸に陥らないか心配だ。
特に、世界の嫌われ者トランプと親しいことを誇とする国際政治家・安倍晋三は危険人物ではないのか?
現在の世界で、おかしな言動を振りまく人物は、金正恩とトランプである。この二人が戦争の引き金を引く最も危険人物だ。安倍晋三の行動は、それを鎮静化させるものではなく、危機を煽りたてる行動に想えてならない。
 
一億の国民を抱える日本で、ローマ時代のような直接民主制度の採用は不可能だから、議会制(代議制)民主主義に寄らざるを得ない。
 
そこで問題なのは、国民の4割弱の支持しかないのに、7割近い議席を与える小選挙区選挙制度である。
比例復活があるので、かろうじて民意を反映する補完機能は備わっているが、党派別支持率(民意)を正しく反映したものではない。
 
また、一人しか擁立できない小選挙区では、自民党に見られるように、世襲で地盤・看板・カバンを引き継ぐ利権の禅譲が横行し、いくら志ある有能な保守であっても、自民党からは立候補できない欠陥が出来上がる。
 
民進党の多くの議員は、保守派に属し、本来なら自民党から出てもおかしくない人材ばかりと言える。だが、自民党の世襲優先主義の選別に阻まれて、やむなく野党として立候補した連中だ。
 
特に民進党の中でも、右派の細野豪志や長島昭久は、労組お抱えの赤松など社会党残党と相入れることができず、第二自民党の希望の党旗揚げメンバーに加わった。
 
希望の党の立ち位置は、主義・主張は自民党と区別が不可能だ。このような自民党と区別できない政党は、結果的に消滅していったのが戦後の歴史であった。
小沢一郎などは、保守二大政党制を目指して、様々な政党を立ち上げたが、今回の選挙でほぼ消滅してしまった。橋下徹が立ち上げた維新もじり貧状態。日本の心なる党も風前の灯だ。
 
希望の党が失速した原因は、第二自民党を目指したことである。
本来なら、自民党内で安倍晋三に代るリーダーの台頭を、安倍内閣不支持の国民の多くが望んでいた。
 
小池百合子は、安倍不人気の世間の風を読み、国政に撃って出るチャンスをうかがっていた。
小池百合子の狙いは、自民党の造反組の決起を促し、新たに希望の党を軸とした自公連立の右派政権の樹立にあった。
だが、その謀反を恐れた安倍晋三は、理由なき突然解散で、小池百合子の野望と造反の出鼻をくじき、早期に摘みとる策略に撃って出た。
小池百合子に武器弾薬が調わないうちの奇襲攻撃である。
 
うろたえた小池百合子は、狼狽する前原誠司をそそのかし、武器・弾薬が眠る民進党の金庫を丸抱えで受け入れると持ち掛ける。大合流が成功すれば、自公政権を打ち破るチャンスだったかもしれない。
だが、<全員を受け入れる気はサラサラない>,<排除する>といった上から目線の女王様発言で、全ての計画は水泡に帰してしまった。
 
小池百合子に欠けていたのは、<清濁併せ呑む>といった政治家の度量が不足していたことに尽きる。
それが純粋の右翼ならまだしも、<小池百合子さまファースト>で、女王様のトップダウンでなければ気が済まない権力欲の塊だったことが見え見えだった。
 
野党再結成しないと、自公政権打倒は出来ない。
だからと言って、野合は国民の支持は得られない。
維新や日本の心がじり貧のように、自民党を超える右翼の党など、国民は望んでいないのだ。
希望の党に希望がないのは、この一点に尽きる。
 
国民が望む二大政党制は、自民党にはない健全・中道な保守政党だろう。
自民党にない保守の視点をリベラルと総称するなら、
 
世襲地盤を受け継ぐ利権政治家ではないこと
財界・金融界優先の経済政策ではないこと
農協・商店会・商工会など既成基盤を持たない市民が支持する政党であること
上から目線の与えられた(国家の恩恵・国家主権)の福祉政策ではなく、弱者目線(国民主権)の福祉政策であること
立憲民主主義国家の理念に基づき、政治家は憲法を順守し、勝手に解釈して違憲立法を作らないこと。
 
労働組合は、本来なら上記には含まれないが、現在では多くの組合が企業と癒着した労働貴族化している。ボクは好きになれない。
財界支援の自民党に対抗するにしても、労働組合のお抱え政党になれば自滅する。一定の距離をどう保つかが立憲民主党の課題だ。
 
枝野幸男が立ち上げた立憲民主党は、この5つの視点を備えている。安倍晋三が憲法をネジ曲げた安保法制を支持する希望の党は、第5の視点が欠落している。第4の視点も不明確だ。何よりも中道ではなく、自民党を超える右派政党に近い。
 
枝野幸男の立憲民主党は、日本に初めて芽生えた市民政党になってほしい。
君の行く道は茨の道で、草の根の市民は,浮き草で流されやすい。
どうすれば、草の根が定着できるか?その答えは、前に歩いた者がいないから解らない。
もしも立憲民主党が育って、政権を担うとすれば、枝野幸男は歴史に名を遺すに違いない。
下手に政治的な妥協をせず、理念と政策を明確にすることが先決だと思う。
 

政治に望むこと
 
選挙結果は、ほぼ予想通りに終わった。
 
              私の予想      最終結果
1位 自民党     267  +15 -5   284
2位 立憲民主党   53  ± 4        55
3位 希望の党    49  ± 5        50
4位 公明党      34  ± 2        29
5位 共産党      20  ± 1        12
6位 維新        10  ± 2        11
7位 社民          2  ± 1         2
無所属          30   - 5        23
 
超大型台風も思ったより風もなく、残り4議席となった党派別の獲得議席は、ほぼ私の予測範囲に収まったようだ。
 
立憲・希望・維新・社民については、ほぼ99%的中した。
大きく狂ったのは共産党である。公明党も30議席を割り込んだ。
予想が狂った原因は、投票率が意外に下がらず、期日前投票が20%を超え、当日の投票が大雨で下がったにもかかわらず、全体では前回より1ポイントも上がったことである。
悪天候にもかかわらず投票率が好転したのは、無党派層が安倍独走に危機感を感じたからだろう。その多くは立憲民主党に投じ、その他は希望と維新・共産に分散した。
50%を切る史上最低の投票率を想定していたので、4ポイント、500万人近い無党派の上乗せが相対的に公明党と共産党の比例配分を落とす結果になったようだ。
無所属の予想議席が下がったのは、当選と同時に自民党が追加公認したことによる。
 
立憲民主党は、私の予想通り、希望を抑えて野党第1党に躍り出た。
希望の若狭勝は、予想通りの落選で、小池百合子が立ち上げた希望塾の刺客は、全て落選。見るも無残な結末である。小池百合子の風だけが頼りだから泡沫候補並みの得票で終わった。有権者の正しい選択の結果である。
 
希望の党で当選した議員は、元籍は民進党。
民進党時代に築きあげた地盤をかろうじて死守した。小池百合子のおかげとは誰も思わないから、今後の希望の党の運営は、小池の思い通りにはいかない。
細野豪志・長島昭久を中心に、自民党右派翼賛会の色彩をより鮮明にして、安倍晋三が目論む憲法9条改憲勢力に加わるだろう。もともと彼らは、疑似自民党だったのだ。
小池百合子は、安倍晋三への敵対感情をむき出しにして戦ったので、自公政権の補完政党を目指す希望の党の代表では邪魔な存在だ。
前原誠司は希望の党入党を鮮明にしたので、小池は前原に代表の座を禅譲するのではないか?
しかし細野豪志・長島昭久がすんなりと受け入れるかどうか?前原は今回の文裂騒動の張本人で、汚れたイメージが出来上がってしまった。
組織のない希望の党は、ゴタゴタが続くように思われる。
 
旧民進党で、希望に移らず、立憲民主党に入党していれば当選していたと思われる人物も数人はいた。希望の党への復帰は考えにくく、旧民進党に立ち返り、捲土重来を期すことになりそうだ。
 
希望の党の敗因を、若狭勝は<自民党の受け皿が二つに割れたこと>だと分析したが、こんなトンチンカンな分析をしているから、若狭自身も有権者から排除されるのだ。
小池百合子の狙いは、野党を分断し、安倍晋三の首を取り、より強固な自公・希望・維新の連立政権樹立であった。これは明明白白で、隠しようもない権力闘争だった。
小池と若狭の狙いは、自公を割って、新たな自公の受け皿になることであった。。だが無党派層が望むのは、自民党の受け皿ではなく、反自民党・永田町政治と決別する受け皿である。
何よりも希望の党は、憲法解釈も自公と変わらないし、アベノミクスに対抗したユリノミクスなるものも、訳の分からぬ横文字で国民を騙す目くらましだった。小池が偉そうに上から目線で語る横文字に、国民はウンザリなのだ。。
 
大躍進した立憲民主党の枝野幸男は、<永田町の数合わせの権力闘争には組しない。政策や理念で筋を通して、国民の理解が広がった。草の根からの政治を取り戻す>と語る。
小池百合子の希望の党と、立憲民主党の立ち位置は明確に違うように思われる。
草の根からの政治とは、権力闘争の国会議員に飽き飽きした無党派層が望むもので、数の論理で、憲法を身勝手に解釈する安倍晋三と徒党を組むコバンザメ政党と異質な存在である。
 
これからの保守二大政党は、自民党のように<国家権力(国権)>優先の国粋主義的民主主義か、立憲民主党が目指す<国民主権>優先の草の根の民主主義か、の二者択一にあるように思う。
 
例えば、国を護るために国民は命を投げ出すのが自民党の立ち位置。対して立憲民主党は、国民の命を護るために国家はある。といった違いだろうか?国を愛する愛国者か。国民を愛する愛国(民)者か?
 
卵と鶏のような話ではあるが、どっちを政治家が優先するかで、民主主義はヒットラーのような独裁権力者も生むし、リンカーンのような奴隷解放で人の自由を尊重する政治家も誕生する。
 
国民が望むのは、ヒットラーではなく、リンカーンである。
小池百合子に嵌った希望の党は、安倍晋三と同じく、愛国主義を掲げ、いつヒットラーに変身するかわからぬ永田町のバケモノのようにボクには見える。
 
枝野の立憲民主党には、永田町・霞が関の権力亡者にならず、国民・市民・個人の立ち位置で日本の政治を変えていってほしいと願っている。

土砂降りの選挙戦予測
 
この大雨である。確実に投票率は下がり、50%を割ることも十分に予想される。
一昨日までの期日前投票は、15645349人だったそうで、2014年の前回衆院選の同時期と比べ5366%増加した。昨日を含めれば1800万人くらいにはなりそうだ。
全有権者数は約1億人だから、投票率を50%とすれば、36%が済ませた勘定だ。
しかし、台風接近の大雨警戒が流されていたので、もともと投票する方々が早めに済ませただけで、投票率の向上にはつながらない。
午前11時の投票率は前回より1ポイント以上多いが、台風接近に備えて出足が早くなっているだけで、午後は鈍くなるのではないだろうか?
(追記)午後2時では、前回より0.8%投票率が下がりました。予想通りです。

 
投票率は20歳台で約3割、30歳台で4割、40歳台で5割ほど、高齢者ほど投票率は高く、70歳台で約6割のピークとなる。
事前投票所には、車いすや杖を突く老人が多く見受けられ、若者の姿は見掛けなかった。
 
想像するに、コチコチの自公・共産党の支持基盤層は早めに投票を済ませたと考えられ、選挙に無関心な40歳代までの若者はこれからだろう。
元々、気が向いたら投票所に足を運ぶ浮動票の無党派層だから、この雨では外に出る気もなく、棄権するに違いない。
 
そうなると、気になるのは選挙結果にどのような影響があるかである。
 
最大の被害者は、流動票狙いの希望の党である。小池百合子の<排除>発言以来、逆風が吹きまくり、支持基盤もない落下傘候補が多いから、低投票率はもろに影響を受ける。
維新も大阪を除いては、地盤がないので影響は大きいだろう。
 
立憲民主党にとっても、この雨は痛い。だが労組と曲りなりにも民進党時代の組織基盤があるので、希望の党よりは打撃は少ないだろう。
 
公明党・共産党は、支持基盤が固いので、投票率が下がれば下がるほど相対的に政党支持率が上がり、比例当選率が向上する。天の恵みの雨である。
比例で公明党に入れる学会員は、ついでに地方区は自民党に入れるので自民党票も上乗せされる。接戦区の自民党には有利な雨である。
 
自民党は、なんといっても選挙オタクを最大に抱える保守政党。公明・共産ほどではないが、熱狂的な支持層に支えられ、投票率が下がるほど当選者が増加する。野党分裂に加えての恵みの大雨である。
 
そこで、史上最低の投票率を想定した各党の議席数を大胆予測してみた。順位は獲得議席数順です。
 
1位  自民党     267  +15 -5
2位  立憲民主党   53  ± 4
3位  希望の党    49  ± 5
4位  公明党      34  ± 2
5位  共産党      20  ± 1
6位  維新        10  ± 2
7位  社民          2  ± 1
無所属                  30    - 

公明党・共産党は全員当選が見込まれる。
希望は浮動票が見込まれず、比例復活が少なくなるので、50を割り、40台半ばくらいがせいぜい。小池百合子は、大雨に負けたせいにするのだろうか?
立憲民主党は、比例復活が見込まれるので、50台はキープするのではないか?
2位から無所属までを合計し、465議席から減じた数値が自民党である。自公合わせて300議席を上回る。改憲に必要な310議席を超えることは十分予想される。
安倍晋三は、国民の支持を得たと、9条改憲に走るだろう。

投票率が思ったより下がらない場合は、公明党・共産党の比例当選数がマイナスに働き、立憲民主党にはプラス要因となるのではないか。
今日は大都市圏の天候が夕方ほど悪くなるので、駆け込みで増えることは考えにくい。野党側、特に東京の希望と、大阪の維新には、不利な悪天候は間違いない。
安倍晋三は悪運の強い男である。
 
選挙後の野党第1党は、無所属当選者の入党組あるいは共同会派を含めて立憲民主党になる。参院民進党も遅かれ早かれ立憲民主党に合流するだろう。
野党は、立憲民主党の枝野幸男を核に、再編され、保守二大政党時代の新たなる幕開けになるだろう。

都民ファースト・国民ファーストと言いながら、政権選択の当日はパリに外遊の小池百合子。環境問題も大切だが、小池が出席したところでどうなるものでもない。
敗戦濃厚な希望の党は不満炸裂。選挙後は離党者続出だろう。ヒゲの若狭も当選が危ない。親分の小池百合子は、これ幸いと党首を辞任するのではないか?
前原誠司も、民進党から除名されるだろう。行き先は希望の党しかないが、細野豪志がすんなり受け入れるかどうか疑問だ。
 
この雨の中、安倍政権への批判がどこまで立憲民主党に集中するかが、今回の選挙の注目の的である。
立憲民主党へのネット支持がとこまで本物か?草の根の市民が試される試金石の雨となった。

台風前夜 野党第1党の争い
 
日本神話の中に、アマテラス大神(太陽の神)が、荒んだ世の中を嘆き悲しみ、天岩戸に御隠れになったので、世の中は真っ暗闇。食物は育たず、疫病が流行り、日本列島は大混乱に陥った逸話が残されている。.
 
1022日は、総選挙。
超大型台風が日本列島を襲うらしい。
10月の行楽シーズンなのに、日本列島は暗雲が居座り続け、その上に投票日は沖縄から北海道まで大荒れが予想されている。当然ながら、低投票率となるだろう。
そこで、この大嵐で、誰が笑い、誰が泣くのか?おおよその想定はますます、自公政権安泰である。この先、ますます暗い世の中が続きそうな予感がする、
 
この悪天候で、投票率は確実に下がる。
一般的に、無党派層は風雨が強まれば棄権し、雨にも風にもめげずに投票所に向かうのは、信仰心に篤い公明党と、共産党と言われる。今日も明日の大雨を予想してか、大挙して市役所のバス停を降りる高齢者の群れを見掛けた。どこかの組織に動員されたらしく、列を組んで不在者投票所に向かっていった。
全国組織地盤が堅固な自民党は安定的な票をかき集めるだろう。
この悪天候で、自公の300議席は現実味を帯びてきた。
暴風雨の選挙は、安倍自民党にはそよ吹く風となった。
これから4年間も、安倍晋三のツラを眺めながら暮らすのかと思うと憂鬱極まりない。
日本の夜明けは遠いようだ。
 
与党が割れて、政界再編の目玉になるはずだった希望の党は、緑のタヌキの化けの皮が剥がされ、安倍晋三続投の最大の功績者になってしまった。
ドブに落ちたタヌキは、パリに逃げ出し、もぬけの殻。この大事な時期に党首なら、パリには副知事を代理出張させればコト足りるはずだ。
小池に嵌った希望の党の候補者は、自業自得というもの。同情する余地もない。
 
選挙の興味は、野党第1党の行方に注がれている。
小池百合子は、野党第1党の党首の座を求めて立党したわけじゃないから、与党割れを巻き起こせなかった失望と屈辱感で歯ぎしりしているだろう。
 
急きょ結成した枝野幸男の立憲民主党は、逆風をもろに受ける希望の党と入れ替わり、台風の大風で順風満帆。
50議席を超え、選挙後に合流または連立提携する岡田・野田・江田などを加えて80名近い勢力になるだろう。
枝野の立憲民主党は、野党第1党の座を仕留めるとともに、安倍晋三権力に対峙する市民・野党共闘の頭目に担がれるだろう。
立憲民主党の狙いは唯一つ。権力の暴走から、国民を守ることに尽きる。
 
では、民進党を解体させた前原誠司はどうなるか?
希望が、公示前の57議席も下回る結果に終われば、民進内で前原に離党や代表辞任を迫る声が強まるのは必至と言われる。前原に関し、民進参院幹部は「結局しかばねをつくっただけだ。代表にとどまるなら解任もあり得る」としている。
 
前原は、結果を見れば仲間を騙して民進党を解体させ、ニセ与党の希望の党に仲間を身売りした謀反人。民進党残党にとり、天下の大悪人である。
前原は、責任を取って辞任せざるを得なく、さもなくば、残党から首を切られるかである。ボクなら名誉ある切腹など許さず、京都市中引き回しの上で、三条河原で打ち首である。
 
前原誠司の思惑は、選挙後に自公に迫る勢力になるはずの希望の党に、民進党解党の100億の残金を抱えた凱旋将軍として入党することであった。
小池百合子から共同代表の座を与えられ、首班指名まで受けるはずだったのに・・・ワルのたくらみは、前原誠司の政治生命すら奪ったようだ。
 
かくして民進党は、過去のトラウマから脱却でき、腰の据わったリベラル政党が誕生したわけである。
忘れかけていた民主主義の根幹<立憲主義:>を掲げた枝幸幸男。
さらに強い追い風を与えて、この国の暗雲を吹き払って欲しいものである。

立憲民主党に、強い追い風を送りたい
 
今まで縷々ブログで述べてきて明白なように、希望の党・小池百合子の狙いは、野党の再編ではなく、与党を再編し、安倍晋三を政権の座から引きずり下ろすことにあった。
これは与党内の権力闘争に過ぎない。
 
確かに安倍晋三の政権運用は、森友・加計問題にみられるように、権力を私物化し、憲法をネジ曲げて海外派兵を可能とする安保法制を強行するなど、強引で、傲慢さが際立っていた。
 
しかし、安倍晋三の首を小池百合子に挿げ替えたところで、似たり寄ったり、或いは小池の方がもっと強権的な権力者になる予感すら感じる。
小池に具体的な政策があるかと言えば、全くない。
あるのは、横文字の変化球ばかりで、煙に巻く七変化のネコだましに過ぎない。
小池百合子の手法は、これまでの権力者を悪者に仕立て上げ、小池が権力者の座に座るだけの話である。
 
今日の昼食は、ネパールのカレー店に立ち寄った。
隣の席の女子大生たちが、選挙で誰に入れるか、幼稚な会話をしているので、思わず聞き耳を立ててしまった。体育大学なので政治には疎いようだ。
中に少し選挙制度に詳しいものがいて、間違いだらけの解説をしていたが、口を挟むわけにもいかず、黙って聞いていた。
そのうち、
<ねえ、小池百合子ってヤダね。・・・・五輪終わったら、さっさと消えて欲しいよ・・・>
ほかの3人の女子大生は、小池百合子にすら関心がないらしく、聞き流している。
<立候補者なんて知らないし、誰に入れたらいいのか、わからない・・>と一人がつぶやき、ほかの二人が頷いている。
小池を嫌いと口にした一人を除いて、ほかの3人は棄権するに違いない・・とボクはチャイを飲みながら、398円のインドビールを頼もうかどうか迷っていた。
 
若者の間で、<枝野ネロ・・>という会話が311東北大震災の後で、流行っていたと、今になって知った。
当時、官房長官だった枝野幸男が福島原発事故の際に、不眠不休の政府広報対応を行い、いつ寝るのか心配になった若者たちが、<枝野寝ろ>とツイターに書き込んだのだそうだ。
官房長官当時の枝野幸男の真摯な対応は、若者たちに信頼感を植え付け、この男なら信用できる。と心に刻み込まれたようだ。
 
政治の世界は魑魅魍魎。妖怪が跋扈する世界である。わけわかんないから、若者は政治など関心もなくなる。
 
だが、この選挙では、青臭くて書生っぽいが、枝野幸男が民主主義国家の原点である<立憲民主主義>を熱っぽく唱え、分かりやすく説明することで、安倍晋三に対抗する対抗軸を明確に示してくれた。
 
自民党の中にすら、もっと右翼の中にも、枝野幸男は清々しく映り、政策を超えて、称賛する声すら聞こえてくる。
 
立憲民主党の中にも、ややっこしい人物が混じっているが、枝野幸男が打ち立てた立憲民主主義の原点さえ忘れなければ、政権担当能力のある保守二大政党制が、ここに新たに誕生するものと期待できる。

小池百合子の希望の党のような偽物の野党ではなく、本当の野党・立憲民主党が野党第一党になる事こそ、安倍政権NO!!の国民の意思表示である。
 
選挙終盤だが、更に強い追い風を枝野幸男と立憲民主党に送りたい

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