団塊の来し方行く末

昭和22年団塊世代。 緑内障が進行し、誤字脱字・誤変換が多いブログですが、ご容赦ください。 オーディオ好きが高じて、定年後に音楽喫茶を開店して11年です。 ジャズ・オーディオ雑誌にも何度か掲載された音の良い隠れジャズ喫茶でしたが 2020.3月に閉店しました。長年のご愛顧に感謝申し上げます。

2017年08月

生きた証
 
8月も最終日。宿題を済ますには格好の雨の日である。
ここ国立では、明日からゴミは有料化される。ボミ袋はあらかた売れ5リットルの小袋しか残っていなかった。
今日は無料で燃えるゴミを出す最終日である。
最期まで悩んでいた手紙類は、一気にさっぱりと整理してしまった。なんかすっきりとさわやかである。会社時代の永年勤続感謝状とか社史などは、とうに処分したが、高校と大学の卒業証書だけは捨てきれなかった。

 写真は立教大学考古学研究会同期卒業旅行(1970)。9名のうち2名は他界
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人生の半分は会社勤務なのだが、自ら作った人生ではないし、生活を支えるために、職務を忠実にこなすうちに時だけが過ぎた時代だった。
憂さ晴らしに、毎晩のように飲んで、カラオケで歌って、バーのママとたわいない会話で遅くまで遊んで過ごしたが、懐かしいとも、再び訪れてみたいとも、旧交を温めたいとも思わない。
そんな会社員時代の写真はほぼ捨ててしまった。ゴルフの集合写真や社内旅行がほとんどで、お付き合いばかりだから、取り立てて愛着もわかない。海外出張の写真も今となってはどうでもよい。
われわれ団塊世代は、飽食の時代に自由奔放に過ごしてきたから、大方はサラリーマン人生なんか未練もなく、どっぷりと会社人間に浸かりきる者はごく一部であった。いつまでも会社にしがみついている人間を見ると、哀れすら感じてしまう。
 
しかし、学生時代の写真は期間は短いのだが、屈託のない笑顔を見れば、忘れかけていた青春の記憶が鮮明によみがえる。
イスラムは死後の楽園を夢みるというが、私は出来ることなら、もう一度、入学試験から解放され自由な時間を過ごした学生時代に戻りたい。
アルバムをめくりながら、中島みゆきの<時代>の歌詞が思い浮かぶ。

中島みゆき
薬師丸ひろ子が 201310月に、この時代をフルバージョンでカバーしている。これもなかなかいい。
そういえば、古いアルバムめくる歌もあった。
夏川りみ<涙そうそう>
 
古いアルバムをめくりながら、学生時代に出会った友や恩師に改めて<ありがとう>と感謝の気持ちが湧いてくる。
特に、大学4年の時は、どこの大学も荒れ狂い、封鎖される事態となってしまった。そんな異常な時代だったので、立教大学法学部ゼミの池田政章教授、文学部史学科博物館学講座の中川成夫教授、岡本勇助教授には真剣勝負のお付き合いで指導頂いた。
なにがどのように人生で役立ったのか?具体的には思い出せないが、先生方は、4年になった我々を大人として受け入れていたように思う。無事に我慢して定年まで努め終えのもそのおかげだろう。

写真は立教大学法学部池田ゼミ4年次合宿(1969)。後列中央が池田先生
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学生時代のアルバムは、私にとり、生きた証である。死ぬまで捨て去るわけにはいかないようだ。

真夏の怪談話
 
麻生太郎副総理兼財務相は、自らがボスを務める麻生派の研修会で、「(政治は)結果が大事だ。何百万人殺したヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくても駄目だ」と述べ、「国民に確たる結果を残して初めて名政治家だったと言われる。人がいいだけでやれるような職業じゃない」と講義したそうだ。
 
テレビでその有様を聴いてみたが、まったく支離滅裂の講演で、こんな男が安倍晋三と並び、日本のリーダーだと思うと情けなさを通り越し、腹立たしさがこみ上げて来る。
麻生は言葉足らずだったと釈明し、撤回したが、政治家は言葉が命ではないのか?麻生の放言癖は今に始まったことじゃない。人前で政治家はかくあるべしとのたまえるほどの人物かどうか、自分が解っていないにもほどがある。
 
自民党では、今井絵理子参院議員と不倫疑惑の橋本建市議の政務活動費の不正受給が明かるみに出たり、<このハゲ~>で一躍有名となり、自民党を離党した豊田真由子の政策秘書に雇われた森俊逸(青森県板柳町議)にも過去の議員秘書時代の金銭疑惑が報道されている。
確かに、麻生太郎の言うように、<人がいいだけじゃあ務まらない職業>が議員である。
自民党議員のテイタラクを引き締める派閥の席上で、ヒットラーを引き合いに出し、<いくら動機が良くても、結果が悪ければ政治家は務まらない>とはどういうことなのか?
それでも自民党への支持率が下がらないというのだから、日本は狂っている。
 
この男、過去にも何度も失言を重ねてきたが、自民党では親分として崇められる存在である。
過去の失言では、
<日本ほど安全で治安の良い国はない。ブサイクな人でも美人でも、夜中に平気で歩けるのだから・・・>これを本人はユーモアだと勘違いして得意げであった。比喩として適切なものかどうか、この下品な男には理解できないようだ。
<創氏改名は、朝鮮人の人たちが『名字をくれ』と言ったのが始まり・・>真偽のほどは不明だが、これを聞いた韓国人から灰皿を投げつけられたそうだ。
<地球温暖化を心配する人もいるが、温暖化したら北海道は暖かくなってお米がよくなる・・・>トランプ並みのオオバカ者というしかない。
 
これ以外にも麻生太郎が読めなかった漢字は、<1.踏襲 2.措置 3.有無 4.詳細 5.前場6.未曽有 7.頻繁 8.実体経済 9.思惑 10.低迷11.順風満帆 12.破綻 13.焦眉 14.完遂 15.詰めて16.怪我 17.参画 18.偽装請負 19.御祈り・・・>など枚挙にいとまがないほどだ。
 
お粗末なパソコンの識字能力には手を焼くが、壊れた麻生太郎のオツムに日本国の行く末が託されていると思うと背筋が凍る。
真夏の夜の怪談話ならいいのだが、これが実話だから、北朝鮮の弾道ミサイルより恐ろしい。
カネと利権の二世議員のたまり場、自民党をいくらアホと批判したところで、問題解決にはならない、政権移譲の受け皿となる第二の政党にふたたび民進党が蘇ることを期待するのみである。

オルトフォンKS601 アンプ修理
 
オルトフォンと言えば・・・泣く子も黙るオーディオ用カートリッジの最高峰の老舗メーカーである。デンマークの会社の歴史は一世紀以前にさかのぼる。
そのオルトフォンが1960年代に2機種だけ真空管アンプを製造したことがある。
その初代がKS601のプリメインアンプ。
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 日本では入手困難な真空管を出力管に使ったもので、ほとんどお目にかかったことはない。そのアンプが調子がおかしいと修理依頼があった。
音が歪む、いわゆるサチる音である。前の持ち主も原因を探るべく散々いじくりまわした挙句に治らず、諦めて放出したいわく付きのものらしい。

持ち込まれた以上、直さねば、名医揃いの国立真空管アンアの会の名が廃る。オシロスコープやテスターを駆使し原因を探ったが、なかなかの難物だった。4日を費やし、やっと原因を究明し応急処置を施して直した。
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以前に修理した方のブログに、<エラそーに言いたくは無いが、このアンプはパターンの設計に問題があると思う。ステレオだがシンメトリーさは薄いし部品配置にも一貫性がない。延々と伸びるパターン。出力管とドライバー管のヒーターは共通で(左右に別れてはいるがかなりの電力)パターンで供給される。ジャンパー線も多いし驚いたのはブロックコンデンサーの固定金具までジャンパー線としている。>と書いてあった。
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今回修理した国立真空管アンプの会の印象も全く同感だった。回路設計も特殊で、使用される部品やパターン設計にも首をかしげたくなる部位が多い。そのため原因を見つけるまでにかなり手こずってしまった。

しかも、如何せん半世紀たった年代ものなので、コンデンサー類の老朽化も相当進んでいる。サチる原因箇所は修理したものの、余命は12年か?と名医たちが診断する。余命をさらに10年以上伸ばすには、40個近い部品の交換が必要だ。それにはそれなりの費用が掛かるため、今回は正常な音出しとなった段階で修理完了とした。
 
なおこれに要した費用は、診断修理基本料金2万8千円。オーバーホール・半田補修8千円、部品代2千円、合計3万8千円でした。
国立真空管アンプの会は趣味で修理を行っていますので格安です。名機を蘇えさせる名医(元プロの電気エンジニア)が揃っています。真空管アンプの修理は、お問い合わせください。ただし、持ち込み(配送不可)となります。
 
修理記録は以下の通りです。
オルトフォン KS601修理報告書(2017・8.26)
 
(全般)
・プリント基板の部品半田付けヵ所に半田のヤニと汚れが付着しているため、回路がリークまたは短絡状態になっている部分が散見された。この部分が原因となって抵抗などの部品が焼損している部分があった。。
・プリント基板のパターンのはがれ、切断箇所があった。
 
(出力信号が歪む原因)
特殊な回路構成とパターン設計のため、原因特定に時間を要した。
   出力管6973のコントロールグリッとのバイアス電圧が掛っていない。
(原因)C67: 68nμリード線切断、R81: 4.7kΩ焼損
(対策)部品接続、抵抗器交換。
   出力管6973のスクリーン電圧が低い
(原因)VDR1およびVDR2のバリスターが不良のため、規定電圧が掛らない。
(対策)バリスターの代替部品が無い為、抵抗器によるバイアス電圧供給に変更。
 
(修復・修理作業)
1、           プリント基板の松脂、よごれ清掃
2、           プリント基板銅箔パターンはがれ修復
3、           プリント基板パターン切断箇所修復
4、           焼損,破損抵抗器交換(4,7kΩ、47Ω、39kΩ、10kΩx2)
5、           コンデンサーリード線はずれ修復(68nF, 25μF
6、           プリント基板パターンショート箇所修復
7、           出力管6973のスクリーングリットバイアス電圧調整。(2.2kΩ追加)
 
(今後、使用上のアドバイス)
1、           電界コンデンサー(主に電源回路)が老朽化のため液漏れが見受けられる。
⇒長期的使用には交換が必要です。
2、           左右バランス調整用のボリウムが既定の抵抗値になっていないため調整できない。
⇒正規の抵抗値30Ωボリウム(特殊)が入手可能なら交換することをお勧めします。。
3、           全体的に銅箔パターンの経年劣化が著しいため、上述の交換時に、連鎖的な二次的損傷を与える可能性があり、全面的な修復を避け、劣化の激しい個所に限定した修理となります。慎重な作業を要するため、修理代金は別途相談となります。    以上
 

アナログの復活
 
日本レコード協会によれば、16年の国内LPレコード生産枚数は79万枚と過去10年間で最多に達し、10年間で最も落ち込んだ09年(10万枚)と比べると約8倍に増えたそうだ。

レコードブームは欧米が先行しており、世界の売り上げは、06年から15年までの10年間に12倍以上増加したそうだ。

 このブーム到来に、ソニー・ミュージックエンタテインメントはレコードのプレス再開を決めた。

ソニーは、「浜田省吾、ユニコーン、YUKIなど、人気ミュージシャンでレコードを発売する人が増えてきている。当社には音楽産業の潮流をキャッチアップしていく使命がある。現時点では採算に合うかどうか分からないが、ビジネスを超えて音楽業界に貢献すべきだと考えている」と述べている。
HMVでは、渋谷に続き、新宿アルタと吉祥寺にアナログレコード専門店をオープンさせ、若者の需要を喚起させようと頑張っている。・・が売り場を覗くと閑散としていた。テナント料の高い場所でいつまで続くのか疑問を感じた。
 
音楽産業は手軽にインターネットからダウンロードでソフトを購入する時代となり、ワザワザ店に足を運ぶこともない。スマホ一つあれば、すべてが事足りる。
言い換えれば、仮想空間の中で、架空の音が飛び交い、終わればアラジンの魔法のランプを撫でるが如くに、いずこへと消え去る不透明な存在である。モノとしては存在しないから、コレクターとしての私有価値はゼロに等しい
 
若者がなぜアナログレコードに回帰し始めたのか?
音楽業界誌「コンフィデンス」のアナログレコード特集によれば、若者層には「面倒臭さを愛おしむ価値観」が生まれているという。自らの手で再生させ、パッケージを所有し、曲の良さを味わうことで音楽を聴くことの素晴らしさに今一度気づくきかっけになっている。
 
先週、このブームに目を付けたHMVが三越本店でアナログ特集の催しフェアーを行っていた。
JAZZレコード・コレクターのM君を誘い物色したが、めぼしいものは何もなかった。HMVは中古レコード店では新参者だから仕入れが追い付かないようだ。若者に受けるロックに力を入れているようで、ロックには興味がない我々は早々に退散し、居酒屋で暑気払いする。
 
LPレコードが普及してから60年が経過し、80年代初頭にCDに王座を譲ってからは衰退の一途を辿ってきた。今ここで復活するかと言えばそれは疑問である。何よりもかさ張るからだ。その存在感がコレクターにはたまらない魅力なのだが、普及するとは考えにくい。
それでレコードの音の良さに目覚める人がいても、かつてのようなブームの再来はないだろう。
 

トランスジェンダー
 
断捨離を継続するうちに、ブログを綴る意欲も捨ててしまったようだ。物欲の塊に見切りをつけてしまうと、物事へのこだわりも薄れてしまうのか?
それで北朝鮮が3発のミサイルかロケット弾を発射しようが、またか!!!あのバカが・・・くらいなもので、それ以上に怒りも沸かないし、抗議する気も起らない。
夏の終わりは、蝉の抜け殻じゃないが、少しばかり虚脱感さえ感じる毎日である。
 
一昨夜のテレビで、タイのトランスジェンダー(性同一性)について放送していた。
タイのニューハーフショーは有名だが、街中にも女装の元男性がかなりの数で大手を振るって歩いている。社会生活でも差別されず、教師から看護師に至るまで違和感もなく溶け込んでいるそうだ。
大学構内で<トランスジェンダーの人、手を挙げて・・>と呼びかけると、衒いもなく、むしろ誇らし気に数人が手を挙げた。しかも彼ら?彼女らは群れることもなく、男女の学生の中に普通に紛れ込んで違和感もない。
バンコクには、性転換手術を受けられる大病院が10もあり、内科や外科と肩をならべて診療科の看板が掲げられている。
さすがに婚姻届けは受け付けられていないようだが、トランスジェンダーの事実婚も進んでいるようだ。
 
もともとタイは性に対しておおらかな国で、売春婦だと言っても、性の奴隷だとか、嫌悪感をもって差別を受けることもなく、セックス産業の一従業員として堂々と暮らしている。
日本の江戸時代の娼婦の身請けじゃないが、売春婦と知っていても結婚をためらう男性は少ないらしい。
タイ人になぜトランスジェンダーを差別なく受け入れるのか聞いてみると、<自分に対して無害の存在だから・・いいじゃん・・>とか、<売春婦のおかげで一般女性が強姦される危険も減るし・・・>などと<タイ人は、寛容でおおらかな国民だからでしょうね・・>と笑っていた。
 
日本でも世田谷区・渋谷区などは、トランスジェンダー同士の結婚に寛容で、条例で同性婚を認めた。
宣誓したカップルには、パートナーシップの証明書を発行し、<住居の賃貸契約や病院での面会時に、戸籍上の家族ではないことを理由に断るなどした場合は、区が是正勧告をした上で事業者名などを公表できる。>保護条例である。
 
私は、ツイターでこの条例を批判したことがあり、世田谷区の女性区会議員から度を越えた個人攻撃を受けたことがあった。
確かに、同性婚が流行ったとしても、私に実害があるわけじゃないから目くじら立てて、批判するのはお門違いかもしれない。
だが同性婚を正常な婚姻だと認知するのが。正常な社会なのか?
ジェンダーフリー社会が究極の未来世界なのか?
 
論争する気は全くないが、男と女には、持って生まれた機能の違いがあり、役割の違いがあって当然だと思っている。男女の違いすらジェンダーフリーの擁護派は否定するから、トランスジェンダーの方々に私は違和感を覚えてしまう。

しかし世の中の動向には逆らえず、性同一性障害はもはや障害ではなく、男に生まれながら女性であり、女性に生まれながら男である特異な存在を、特異ではなく当たり前として、違和感を抱かず、受け入れるのが世の趨勢のようである。
これが多様性を認める自由な社会の新しい価値観だとすれば、爺さんも従うしかあるまい。

ヤブ睨みの時事放談
 
北朝鮮のグアム島へのミサイル発射警告を受け、急きょワシントンで日米2プラス2の会合が行なわれた。
そこで決まったことは、<日本政府は「イージス・アショア」をアメリカから購入する。>と約束し、マティス国防長官は、ニンマリ笑って「しっかり協力する」と述べたという。早速、防衛省は来年度予算の概算要求で、導入するための予算を初めて盛り込む方針だそうだ。
 
トランプが金正恩を<なかなかの切れ者>とおだてるのも無理はない。金のグアム島攻撃のおかげで、韓国内のサード配置が順調に動き出し、日本に新たな武器を売り込むことができた。
極東アジアに適度な緊張関係を金正恩が作りだすから、アメリカの軍事産業は潤うのである。アメリカだけじゃない。北の弾道ミサイルは、ロシア・ウクライナの技術供与で、パクリなのだそうだ。米露の軍事産業がカネ儲けのネタにしているのだ。
こうして見ると、金正恩とトランプは、悪代官と悪徳商人が裏で手を結んでいるのではないか?と疑いたくもなる。
 
それというのも、トランプは白人主義者のアメリカン・ファーストが身上だ。日韓をアメリカの核のアンブレラーで保護するというが、そこにはディールの但し書きがあり、<カネ次第>と書いてある。正義感で日韓を護るんじゃない。
 
第一次世界大戦では、ドイツの鉄鋼・重工業王と呼ばれたクルップは死の商人(敵味方双方に武器を売る商人)と呼ばれ,大儲けした。現代においても戦争を商売にする死の商人と政治権力とは、深い絆のシャム兄弟の関係だ。
 
特にトランプの周辺には硝煙の匂いの商人だらけなのだ。ましてや、極東アジアでドン・パチが始まっても米本土を狙われる危険性は極めて少ない。
錆びついたアメリカの重工業ベルト地帯を、再び以前の様に取り戻すことがトランプの掲げるアメリカン・ドリーム政策である。もっとも手っ取り早いのが戦争への武器供給だ。
 
だが、そのトランプは今、窮地に立たされている。
多民族の集合体国家で差別を撤廃することで、アメリカの自由と平等と独立を勝ち取った歴史は、アメリカ人が世界に自慢できる唯一の誇りでもあった。それを再び、リー将軍時代の白人と黒人の分断国家に引き戻すかのようなトランプの発言は、アメリカのトップリーダーの見識を著しく欠くものだ。
南北戦争で黒人奴隷制度を堅持する南軍リー将軍を、歴史的に偉大な人物と評価するのは、北軍勝利により統一国家となった北軍アメリカ大統領としては禁句である。
この男の見識を欠いた下品な発言の数々に、さすがに多くのアメリカ人が<ノー>を突き付け始めた。
 
一方で、トランプに似て、それ以上に下品な男が金正恩である。
アメリカをこの世の敵とばかりに罵りまくり、アメリカ本土を火の海にすると、憎々しげに宣言している。当然ながらアメリカの世論も北朝鮮を叩くべしが過半数を超える。
 
トランプにすれば、政治的苦境を脱する特効薬は、北朝鮮がますます居丈高になり、グアム島にミサイルを撃ち込まれることで、北朝鮮爆撃の大義名分を得ることである。
多くの朝鮮半島の人命が失われても、アメリカ本土は被害が出ない。それどころか戦争特需でアメリカの重工業は活気づき、トランプを支持する極右勢力は息を吹き返す。
アメリカ国民の敵は北朝鮮に向けられる。その結果が、北朝鮮の崩壊と朝鮮半島統一となれば、トランプは歴史に残る十字軍の勇者になるだろう。
 
トランプは金正恩を<なかなかの切れ者>と煽て上げ、有頂天となった金がますます挑発的行為を助長させれば、それがトランプのチャンスである。
ここぞとばかりに、戦略爆撃機B-1がグアムを飛び立ち、大平洋機動空母カールビンソンと駆逐艦隊、それに原子力潜水艦ミシガンから一斉にミサイルが北朝鮮に発射されるだろう。
むろん、日本の航空自衛隊・海上自衛隊は日米韓連合艦隊に連動する護衛部隊に組み込まれる。幸いなことに、韓国は日本軍の朝鮮半島内での参戦を拒否するので陸上自衛隊の出番はない。
 
窮地にあるトランプに残されたジョーカーは、自らが辞任するか、破れかぶれで北朝鮮攻撃を行うかの二者択一ではないか?
トランプ陣営は、参謀の辞任に次ぐ辞任で戦争どころではないが、もし落ち着けば、政権浮揚の打開策にこのような北朝鮮爆撃もありうるだろう。何せ、トランプは自分ファーストで、予測不可能な男だからだ。
 
煮ても焼いても食えない金正恩とトランプ大統領。この二人に極東アジアは危険にさらされてしまった、
人類って・・、人間って・・・進歩しているのだろうか?

 按ずることもなし
 
朝鮮がグアムに向けてミサイルを打つかどうか?まるでワイドショーの格好の餌食である。
論者の意見は四分六で撃たない意見が多いようだ。また撃つとしてもグアム近辺ではなく、少し離れた地区に向けて威嚇発射し、お茶を濁す程度ではないか?との見方もある。
あたるも八卦、当たらぬも八卦で、全ては金オンバカ大将の胸の内。金が本当のアホウか、少しはまともな人かの試金石である。
 
いずれにしてもアメリカの領海内にミサイルを撃ち込まない限り、アメリカが北朝鮮への直接空爆は考えられない。限定的であっても朝鮮空爆が行われれば、当然、北朝鮮は反撃するから朝鮮戦争が再開する。戦争が勃発すれば歯止めがきかない。殺し合いの世界である。
 
金正恩も少し怖気づいて、アメリカの様子を見守ると発言を後退させている。金が自暴自棄には見えないから、この話は竜頭蛇尾のいつものパターンで終わりそうだ。
 
 
金正恩はアメリカとの直取引を狙っているが、核もミサイルも放棄しない現状で直接取り引きはありえない。
米中が北朝鮮の殺生与奪権を握っており、水面下で北朝鮮に見切り付けたとき、金正恩の命運も尽きるだろう。
 
中国は、鉄鉱石・石炭の全面輸入禁止処置により、北朝鮮への制裁強化を発表した。アメリカはさらに中国を経済的に締め付けることで、間接的に北朝鮮を羽交い絞めする作戦を展開している。
当面はこう言った中国への外交圧力を強化し、北朝鮮の体制転換を狙うのではないか?
この作戦が効果なしと見切りを付ければ、その時は朝鮮戦争が再開する。
ということで、まだまだ金正恩とトランプのチキンレースは終わりそうもない。

金正恩将軍の温情
 
あなたは暴力団に脅かされたらどうしますか?
幸いなことに、ここ国立市は文教都市宣言を行い、立川から忍び寄る進駐軍相手の歓楽街となるのを市民の手で阻止した歴史があります。
文教都市とは、東京都条例により、教育上好ましくないパチンコ店や風俗店、ホテルなどの業種の進出を規制する地区です。
これは1950年代、朝鮮戦争勃発で、国立に隣接する米軍立川基地が後方支援基地化し、朝鮮戦争に駆り出された米軍兵士の慰安場所となり、性風俗産業など米兵相手のいかがわしい商売が増えたことに対して、もっぱらご婦人方が反対に立ち上がった反対運動です。
その結果、文教地区には、暴力団が入り込む余地はなく、脅されて<みかじめ料>と称するショバ代を巻き上がられることもありません。
 
ところで、北朝鮮ですが、あのカサにかかった威嚇は、暴力団そのもの。グアム島近海に4発の弾道ミサイルを発射し、いつでも米軍基地を攻撃できる実証実験を行うと居丈高である。どう考えたって、正気の沙汰とは思えない。
対してトランプは、<やってみるがよい。お前たちこそ、火の海になるぞ>と応戦する。世界の首脳は、トランプに北朝鮮の真似をしてどうする。バカを相手に冷静さを失うな、と警告する。
 
日本は巻き添えにされてはたまらぬから、迎撃態勢に入ったが、どこまで防御可能なのか?試したことがないから解らない。ともかく、じっと騒ぎが納まるまで見ているしかない状況だ。
 

鶴田浩二が、傷だらけの人生で、<・・馬鹿な人間でございます。♪ 真っ平ご免と 大手を振って歩きたいけど 歩けない嫌だ、嫌ですお天道様よ、日陰育ちの 泣きどころ 明るすぎます 俺らには・・>

確かに、北朝鮮は荒れ放題。どこを向いても真っ暗闇。右を見ても左を見ても、バカとアホウの絡み合い・・・・世界のひねくれ者が北朝鮮である。
 
この近隣に住む狂犬を、日本はどうしたらよいのか?
幸いにと言うか、金正恩の狙いはアメリカである。
日本が助太刀に回らぬ限り、むやみに日本に無差別攻撃を掛けるとは考えられない。
なぜなら、日本国内には在日朝鮮人が50万人近く居留し、特にパチンコ経営は北朝鮮系が多いと聞く。彼らは北朝鮮を支える同胞であり、金正恩体制を陰で支える資金源である。直接的な祖国送金は厳しくなったが、裏道はいくらでもあり、北朝鮮からの麻薬ルートも持っている。
そんな同胞が多く住む日本を狙い撃ちするようであれば、自らの資金源を断つようなものだ。
金正恩にすれば日本は、<みかじめ料>を得る大切なショバだから失いたくはない。それに日本は丸腰だから手出しはしない。
 
ではなぜ、北朝鮮は、アメリカを威嚇するのか?
それはアメリカが世界一の大富豪だからだ。脅すだけ脅して、ショバ代をせしめること。それが<ならず者国家>が生きる唯一の道である。
つまり最終的には、核もミサイルも放棄する代わりに<カネ>をだせ、が狙いではないか。
 
こうして、人道支援と称するカネ集めで成功してきた体験が北朝鮮にはあった。しかしトランプ政権は、カネで手を打つこともなく、中国を脅し、本気で北朝鮮の資金源を断つ政策を進めている。
今までは、東西冷戦以降の安全地帯として、生かさぬよう・殺さぬよう北朝鮮の暴挙を許容してきた歴史があった。
しかし、北朝鮮はついにアメリカを射程距離に置くミサイル開発に成功し、核を搭載も時間の問題となっている。
 
もしグアム島周辺に北朝鮮が核搭載可能なミサイルを撃ち込んだら、アメリカはどうするか?
黙って許すことができるだろうか?
アメリカは日本と違い攻撃能力を持っている。
このまま北朝鮮を放置すれば、9・11のNY同時多発テロのような事態も招きかねない。アルカイダをせん滅し、シリアのISも壊滅状態だ。今や国家として、アメリカを脅かす存在は北朝鮮だけとなった。
 
アメリカにとって、北朝鮮の同盟国・中国さえ抑えておけば、北朝鮮本土攻撃の支障は何もない。たぶんグアムへのミサイルが発射されれば、即座に反撃する暗黙の合意が米中間で行われているはずだ。
中国はその合意を北朝鮮にリークし、中国は戦争となっても動かないとけん制するだろう。
 
金正恩はどうするか?
いくらバカでも、それが自滅の道だとわかるから、グアム島
ミサイル攻撃はしないだろう。
北朝鮮国営放送は高らかにこう宣言する。
<偉大なる金正恩将軍は、いつでも発射可能な4発のグアム島ミサイル攻撃を、特別な温情をもって延期する決定を下した。これはお愚かなトランプへの最後の温情である。偉大なる将軍様は、アメリカ本土攻撃の核ミサイル開発を進め、いつでもアメリカ全土を焦土の地獄に陥れるだろう。>と。

捨て去れない思い出

40年も前である。私は30代前半、1977年から1981年までの4年間、日本鋼管㈱(現JFE)アメリカ法人ヒューストン事務所の駐在員暮らしを経験した。当時はEメールもない時代だから、日本との私的な連絡は手紙だった。
会社の通信手段はTELEXで、ローマ字のカタカナしか打てないから苦労したものだ。FAXが導入されたのは赴任して2年目のことだった。そうなると面倒くさいTELEXはオフイスから即座に追放された。
とは言え、FAXは家庭には普及しておらず、航空郵便が貴重な通信手段だった。そのおかげで、手紙は大切に保存してあった。両親からは毎月便りがあったので50通近く残されている。ほかにも友人や、会社の同僚からの手紙もあり、合わせると100通を超えている。
当時はワープロも、パソコンもない時代だから、直筆のオヤジやオフクロの手紙は、今となっては両親を偲ぶ大切な財産である。
 
友人から会社の苦しい内情を知らせる手紙もあった。当人はとっくに忘れているだろうが、異国に島流し同然の私に帰国後の戸惑いを和らげるために切々と知らせるものだった。
 
さて・・・捨てるべきか?まだ残すべきか?
両親の便りは、異国にいる私に日本の出来事を綴るものが多いのでまずはわきに置く。友人からの便りは、40年ぶりに目を通すものばかりで懐かしさがこみ上げる。
遠い過去の話だから、読み直して捨てればいいのだが、はるばる海を越えてテキサスまで運ばれたものだと思うと、なかなか捨てられない。半世紀近くを経て、ペンのインクも薄れ、ボクの目で字を追いかけるのは手間がかかる。それだけで、半日が過ぎてしまった。
 
思い出に浸りつつ、思い出を絶つ。
簡単なようで簡単な作業ではない。
これから残された人生で、必要かと言えば不必要なものばかりである。それを<断捨離>の基準に据えるとすれば、全て捨て去るがいい。
だが今でも友情が続き、これからも付き合う友からの手紙は残すことにした。この歳になると未来を語ることもなく。会えば昔話で花が咲く。写真や手紙は思い出を呼び覚ますカンフル剤である。こんなものが残っていたと持参すれば、それだけで酒の肴になりそうだ。
連絡も途絶え、これからも会うこともない友や会社関係の手紙は捨てることにしよう。これを断捨離の基準に据えた。
 
その捨てる基準の中に私が入社時の部長で、私を海外駐在員に送り出してくれた故・青田明部長の手紙が数通残されていた。
青田部長は気さくな方で、新入社員の私を可愛がって育てた恩人である。
海外赴任の際は、部長以下ほとんどの部員が、羽田まで見送りに来ていただいた。成田はまだ開港されていなかった。そんな手を振って見送る光景が鮮やかによみがえる。その後も青田部長は、海外に送り出した部下の私を心配し、時折、達筆な毛筆手紙が届けられた。
 
青田さんは、13年ほど前にお亡くなりになった、ボクは最後の病床までお付き合いし、病院をお尋ねすると、<櫻井くん、頼むから美味しいアンパン買って来てくれないか・・・医者から甘いものは止められていて、家族も買ってくれないんだ・・寂しいよね・・・アンパンが食べたい・・>と細くなった体で懇願された。
アンパンを買うことなぞ、たやすい御用だが、果たして買ってあげていいものかどうか、私には判断がつかなかった。この結末は書くわけにはいかないが、青田さんの喜ぶ笑顔は忘れられない。
その後、青田さんは東戸塚の老人病院から転院され、それっきり会うこともなかった。訃報が届いたのは葬儀も済んだ後のことだった。
私にとり、順調な社会人の滑り出しを創っていただいた恩人だから、その手紙を断ち切っていいのかどうか?簡単には結論を出せそうもない。
青田明さんは、戦前の中国関東州官立大連高商の御出身だった。剣道の達人で背も高く、ボクと同じくらいの背丈だった。厳しい一面はあったものの、なぜかボクを可愛がってくれ、結婚してからも、たびたび社宅に差し入れに訪れた。
自宅は戸越銀座商店街のど真ん中にあり、小さな家だったが奥様は下町のおばさんのようで親しみやすかった。その後、大船に越されたが、ボクはたびたび訪問し、歓待されたのを覚えている。
 
青田さんの草書体の毛筆書きは、達筆過ぎてすらすらと読めない文章だが、一文字一文字から当時のことが思い出され、余韻に浸っていたら、整理も進まない。
 
私が定年まで何とか勤められたのも、社会人の出初めに、青田明さんが部長の部署に配属され、直属の上司の中島達雄さんと巡り合ったことが幸運だった。中島さんとは3年間、マンツーマンの師弟関係にあった。
大恩人のお二人とも、今はこの世にいない。
そう思うと、ボクが生きている限り、この思い出は、ボクの一存で捨て去るわけにはいかないようだ。

断捨離実行中
 
あと20日余りで、ごみが有料になる。
ともかく思いを絶って、捨てるものは捨てる。有効活用できるものは寄付することにする。
母は突然に脳梗塞で倒れたので、好きだった習字用半紙が大量に残されていた。捨てきれずに保管してあったが、老人憩いの家で行われる習字の会に寄付することにした。

図書で寄付できるものは、石川県羽咋市図書館に600冊ほど寄贈したが、まだ70冊ほど残されていた。段ボール3箱に詰めてお送りする。
中身は、古代史を調べる際に必要な辞書や人名辞典が主なものだ。今となっては、目が不自由で検索できなくなってしまった。
お送りする図書リストは次の通りです。

櫻井文庫追加寄贈リスト
 
 
書名
編集者・作者
出版社
続日本紀  1~4巻
直木孝次郎 他
東洋文庫
日本の神々  1~13巻
谷川健一
白水社
日本古代人名辞典 1~7巻
 
吉川弘文館
日本古代氏族人名辞典
 
吉川弘文館
古代豪族系図集覧
 
東京堂出版
日本史人物事典
 
山川出版社
日本戦国史国語辞典
 
村田書店
織田信長家臣人名辞典
 
吉川弘文館
歴史考古学入門辞典
 
柏書房
萬葉集歌人辞典
 
雄山閣
密教小辞典
 
春秋社
日本歴史大辞典・歴史地図
 
河出書房新社
新編日本史辞典
 
東京創元社
図録・古文書入門辞典
 
柏書房
音訓引き古文書辞典
林秀夫
柏書房
日本史年表
学芸大学
東京堂出版
公卿補任年表
 
山川出版社
国史大系・日本文徳天皇実録
 
吉川弘文館
奈良県史 神社
 
 
奈良県史 地名
 
 
京都府加茂町史・古代・中世
 
 
石川県鹿西町史
 
 
石川県志雄町史
 
 
石川県中島町史
 
 
石川県輪島市史
 
 
鹿島町史 石動山資料編
 
 
松雲公採集遺編類集百六
 
砺波図書館協会
古文書文部九 
 
 
能登国気多神社文書
 
 
松雲公採集遺編類集百十三
 
砺波図書館協会
古文書文部十六
 
 
能登国神社文書
 
 
世事見聞録
 
青蛙房
道教1 道教とは何か
 
平川出版社
 新規で購入すれば数十万円にはなるが、古本で処分してもたいした金額にはならない。特殊な領域の図書なので、地方の図書館ではあまり所蔵されていない。
有効活用できないようなら、古書店に売却し、新本を買う足しにしていただければありがたい。

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