団塊の来し方行く末

昭和22年団塊世代。 緑内障が進行し、誤字脱字・誤変換が多いブログですが、ご容赦ください。 オーディオ好きが高じて、定年後に音楽喫茶を開店して11年です。 ジャズ・オーディオ雑誌にも何度か掲載された音の良い隠れジャズ喫茶でしたが 2020.3月に閉店しました。長年のご愛顧に感謝申し上げます。

2016年07月

いざ 北海道3

3泊4日の北海道の旅も最終日だ。
大雪山系旭岳を後に、富良野にひた走りである。
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正午前に、美瑛町(びえいちょう)・四季の丘に到着。丘陵一面のお花畑である。トラックターに引かれた2両連結の荷台に揺られ、園内を一周する。
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昼食は、富良野リゾート・オリカでサーロインステーキ。量も多く柔らかくておいしかったが、高齢の方は半分も残していた。もったいないけど、もらうわけにもいかない。誰も注文しなかったが、ボクは生ビールを頼む。オリカはゴルフ場も併設された眺めの素晴らしいホテル。食事は美味しかった。
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食事中の雨も上がり、最後の休憩地、富良野のファーム富田まで10分もかからない。
 
ここは81年から放映された<北の国から>のモデルになった農場だとか。残念なことに、ボクたち夫婦はアメリカ駐在時代だったので映像は見ていない。
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なんでも、苦心惨憺の末に富田農場のラベンダー栽培が順調になりだした頃、合成香料の開発で、ラベンダーオイルはまったく売れなくなってしまった。周辺の農場は栽培をあきらめ転作していく中、富田さん一人は、初心貫徹で頑張りぬいたそうだ。そこに<北の国から>で全国放映され、爆発的に観光客が押し寄せるようになったのだそうだ。それから30数年。今や世界中から観光客が押し寄せる一大リゾートになってしまった。
 
<一所懸命>とはこのことである。<永続とは力なり>、だがもし<北の国>で放映されなければ、富良野のラベンダーは全滅していただろう。人生なにが転機になるかわからない。諦めないことだ。

 
かくして、雨も降り出す中、札幌空港に夕刻到着。
札幌ラーメンと思ったが、空港内の回転寿司で最後の北海道海の幸を堪能した。回転ずしと言っても高級ネタばかりで一皿4~500円もする。札幌生ビールに、地酒の冷酒で乾杯。天候にも恵まれ、良い旅だった。雄大で、海よし。山よし。食事よし。その上に温泉も格別だから申し分ない。心が落ち着く土地である。また来てみたい。

掲載した写真は、すべてわたしが寫したものです。ご自由におつKじゃいください。

いざ 北海道2
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二日目の宿は、阿寒湖である。阿寒湖と言えばマリモ。それにこの周辺にはアイヌ・コタンの村があった。ちょっとした温泉街で、アイヌの木彫りのお土産屋さんが軒を並べている。
お宿は、あかん湖鶴雅ウイングスというSクラスホテルである。
湖畔から雄阿寒岳が眼前に広がる。
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 湖畔に面した大きなホテルで、大浴場は迷うほど風呂が多層に重なっている。子供が喜びそうだが落ち着かない。
中国人の子供が二人で遊んでいた。タオルを湯船にピチャピチャ浸して遊ぶのを親は咎めもしない。ボクは叱ってやったのだが、言葉が通じない。身振り手振りで、<タオル・・・ブコーイ(不可以)>と言ってみたがきょとんとしていた。奴らはどうもかけ湯もせずに飛び込んだようだ。
どこもかしこも中国人だらけ。北海道は積極的に中国人観光客を誘致しているようで、こんなSクラスホテルでも7割は中国人(台湾含む)で占拠されている。若い子連れや、夏休みなのか学生らしき男女が多い。身なりはいいし、ちょっと派手好みの服装で、騒がしいのが特徴だ。観光日本を象徴する活気を感じる。
宿の夕食はバイキング。知床の<北こぶし>をさらに豪華にした内容で大満足。部屋は和室だった。
翌朝は霧が立ち込めていたが、6時過ぎから薄くなってきた。天気はうす曇りで持ちそうである。
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 一路、バスは大雪山に向かう。黒岳ロープウエイとリフトを乗り継いで7合目当たりまで行ってみたが、さして高山植物は咲いてない。頭上に万年雪が残っていた。
展望台の下で、日本人らしい若者に、<そこまでも登れば景色はどうかい?>と訊くと、<日本語ワカラナイ。ボク、アメリカ人>と。どうも中国系アメリカ人のようだ。そこで<How about the view of there>に、Quite Nyce!!だそうだ。ついでに、<Youは、トランプかクリントンか。どっちを支持するの❓>と聞いたら、Neither!!>と笑って答えてくれた。
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この日は、旭岳ロープウエイそばのラピスタ大雪山に泊る。白馬プリンスホテルに似たロッジ風のしゃれたホテルである。部屋には暖炉が設えてあり、冷房がない。
食事はフレンチのフルコース。フレンチと言えば結婚式くらいしかご縁がないから、美味しかった。富良野ワインのボトルを奮発してしまった。
明日は富良野である。
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 いざ 北海道

北海道は4回目の旅となる。今回で北海道も打ち止めにしようと、ちょっと豪華なツアーに申し込んでみた。どうせ最後なら、悔いない旅にしたかったからだ。クラブツーリズムのプレミアム・ステージ3泊4日、カミサンと34万円ほどの旅である。
ではいざ 北海道へ
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羽田から女満別空港へ日本航空で。その足で知床半島を目指す。28名のツアーなので、バスの後部は誰もいない。3日間、ボクは最後部に陣取りリクライニングを倒し、貸し切り状態でご満悦である。クラブツーリズムは、後ろのお客様の迷惑になるからリクライニングはエチケットで倒さない決まりなのだ。だが最後部だけは例外。空いたツアーなら添乗員さんに断ってから、最後尾に座ることにしている。
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知床5湖は2回目だ。前回は霧で見えなかった知床連山も快晴。5湖にくっきりとシルエットが映し出され、文句の言いようもないが、夏空に雄大な入道雲があればさらに満点である。
 
宿は、Sクラスの北こぶし。食事は定評のバイキング。二度目の宿泊なので、感激も薄れる。前回は豪華なバイキングに満足したのに、人間とは贅沢になれると感動もなくなる。
午後7時少し前に、宿の前の知床漁港から夕陽を写す。
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翌朝も快晴。2時間の知床半島海の旅である。ベタ凪で少しも船は揺れないが、知床半島はまぶしいほどの逆光。山々はシルエットしか見えない。雄大な知床の緑なす大自然は黒く山の陰に沈んでいた。秋にはヒグマがよく見られるというが、夏はあまり海岸には出てこないようだ。2メートルくらいのヒグマを番小屋付近で見かけたのだが、ボクの緑内障では見分けがつかなかった。カミサンは望遠鏡片手に見える見えると興奮している。指さす方向へカメラを向け、適当に数枚撮っておいたが、なにも写っていなかった。
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かくして、初日の午前中は知床三昧。ウニの海鮮丼ぶりで昼食。午後は、釧路湿原を1時間ほど歩き、宿の阿寒湖を目指す。
車中でタンチョウを見かけたが、写真には撮れなかった。
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写真は、私が撮ったものなので、ご自由にお使いください。

気を付けよう!!オレオレ詐欺に 厚化粧
 
3泊4日の北海道旅行から昨夜帰りました。旅行中はおおむね晴れ。富良野から札幌へ向かう帰りのバスから雨でしたが、楽しく豪華なスーパーミレニアムなクラブ・ツーリズムの旅でした。旅行記と写真は、明日から掲載します。
 
ところで、旅行中に都知事選も終盤。報道では、小池百合子がひた走りとか。<なんで小池なんやねん?>とボクの知る男どもは、いちように首をかしげますが、世の中、手練手管で海千山千、厚化粧に緑の衣を纏ったオバサンに秋波がなびいているようです。
 
石原慎太郎が、たまらず増田の応援に駆け付けたそうです。
いわく、
「今度の選挙に(小池氏に)出たらいいなんて言ったことは、毛頭ございませんからね。そこに私の息子がいて苦労しているけれど。(小池氏は)都連の会合に1回も出て来ず、都連はブラックボックスだなんて聞いたようなこと言っちゃいけない」
「とにかく、岩手県で行政手腕を発揮した増田さんに任さないとね。やっぱり厚化粧の女に任せるわけにはいかないよね
 
それを聞いた小池は、開口一番、「今日は薄化粧で参りました・・」と屁のカッパ。
女と舌戦・口論となれば男に分が悪い。男が勝ったとしても、女は泣きだすし、始末に負えない。挙句の果てに、<お前が泣かしたのか!!>と男が非難されるのがオチ。そんな口達者で演技上手なおばちゃんが小池百合子の正体でしょう。
 
硬派でシャイな慎太郎は、きっと、こんな女に昔から手を焼いたに違いない。慎太郎も裕次郎も、男前の湘南ボーイで超モテるタイプだが、艶聞を聴いたことがない。二人のカミサンを見ても、小池百合子とは正反対。北原三枝などは賢婦人で人前にチャラチャラ厚化粧して出る方ではない。女性を見抜く眼力は慎太郎にはある。子育ては苦手のようだが・・・・。
 
対して、小池百合子を支持するおじいちゃんと言えば、モテないがゆえに女性経験に乏しく、やむなく生真面目に生きてきたタイプが多い。こんなじいちゃんは、保険屋のおばちゃんの勧誘にホイホイ乗る格好なカモである。
ボクは硬派でもシャイでもないが、警戒心が強いから、女性に騙されたことはない。まあ・・・一度くらい騙されてもいいと思うが・・・小池百合子のようなタイプは.ごめん被りたい。何よりも、ボクが理想とする吉永小百合のような清楚で凛とした美しさがない。
吉永小百合を目の前にしたら口もきけなくなるだろうか、小池百合子ななら口論となり罵倒するか、罵倒されて尻尾を巻いて逃げるかの二択問題である。同じ<百合>でも・・・・小池百合子は西洋のカサブランカのような派手派手しいなりと香りを放つ、これでもかと言ったネチッコイい仰々しさである。
 
鳥越俊太郎は、民進党が担ぎ出したのに、共産党の方が熱心に組織を固めて動いている。民進党は地域の組織力に欠け、アンチ巨人ではないが、アンチ自民の浮動票が頼りだから心もとない。
中には、自民党を敵に回すミドリのオバサンの戦術に、すっかり騙される浮動票がかなり多いらしい。その上に、自民党の右派まで混じって、よく言えば幅広い支持を集め、悪く言えば浮ついた有象無象が何となく応援している。
 
鳥越俊太郎は、伊豆大島で離島対策に消費税5%を政府と掛け合うと公約し、物議をかもしている。確かに消費税は国税で都知事の権限ではない。だが離島は、物流運搬費がかかるし、それだけ物価も高くなる。伊豆大島だけじゃなく、全国の本土と架橋されていない離島では、何らかの消費税軽減策があってもおかしくない。例えば、消費税減税が無理なら、東京都独自で、物流費用の一部負担を増やすなど、軽減税率に見合った代替案も可能だ。離島対策に国と直談判できるのは、財政豊かな東京都知事くらいだろう。千葉の森田健作では望むべきもない高次元の話である。
 
政治に肝要なのは、仏教の<一隅を照らす>と言った観点だ。伝教大師は、このような見方ができる人物を<国の宝>だと弟子に諭したそうだ。
しかるに、鳥越俊太郎を、税金の仕組みを知らぬアホウ呼ばわりする浅薄さで、近視眼的なものの見方しかできないジイサンもいる。
鳥越は税の仕組みなど先刻承知の上で、少数の声なき声を聴き、<離島への消費税軽減>が不可欠だと感じ、政治的認識を示したのだ。
物事の本質が見抜けず、浅はかなものの見方しかできない人物が、鬼の首を取ったように、言葉尻を捉えて鳥越攻撃するのを見ていると、哀れにも、かわいそうになるばかりだ。
 
対してミドリのオバサンは、都営地下鉄を二階建てにし、ラッシュ軽減を行うとトンチンカンなことを口にしている。このオバさんは地下鉄に乗ったことがないらしい。
 
離島の人々の暮らしを助ける消費税軽減と、おためごかしの地下鉄二階建化と、どちらが現実性は高いだろうか?
どちらが<一隅を照らす>賢者の提案だろうか?
詐欺にかかりやすい老人にいくら詐欺に気を付けようと呼びかけてもムダだろうが、改めて警告しておきたい。

<気を付けよう!!オレオレ詐欺に厚化粧>

日本は日本人が守る。
 
共和党大会では、予定通りトランプが指名された。と言っても、満場一致のお祭り騒ぎではなく、大物議員は欠席し、会場は騒然としていた。
トランプの演説は、聴衆の歓声と拍手を催促するようにセンテンスを区切り、会場を得意げに見まわしながらのもので、沸き起こる声援はヒットラーの再来を見るようで恐ろしさを感じた。
その主張は、メキシコ国境のリオグランデ川沿いに万里の長城を築き、グローバリズムを否定するアメリカ鎖国政策の採択など、ボクが今まで見たアメリカ人とは全く違う人種で占拠されていた。ボクが知るまともなアメリカ人はどこに行ってしまったのだろう?
 
対する民主党はヒラリーが指名確実だが、いまいち人気が上がらない。世論調査ではトランプとシーソーゲームを繰り返しばがら、大方の予想はヒラリーではないかと希望的観測を報じているが、さて予断は許さない。
ヒラリーがなれば、従来の外交路線が引き継がれるだろうが、トランプだと,これから先、何が起こるか未知との遭遇である。トランプ対策の机上訓練を日本は始めるべきだろう。
 
安倍晋三は内閣改造を行う構えだが、よほどの大物で外交に通じる人物でなければ、トランプの舌鋒に太刀打ちできないだろう。外務大臣に慣れた岸田がそのまま留任するのが望ましい気がする。
 
ところで、トランプ対策だが、トランプは日本に対して、駐留米軍基地の負担引き上げを求めている。この際、この提案を受け、負担増の代わりに、<日米地位協定>の全面改訂を条件にすべきだ。
地位協定の問題は、以下の項目が米軍の管理下に置かれていることにある。日本領土にありながら、治外法権のアメリカ領土となっている。特に沖縄に基地が集中し、沖縄県民が負担しきれないほど膨張している。沖縄県民が怒るのも当たり前だ。
トランプは、そんなことも知らずにさらなる経費の負担を日本に求めているのだ。まさに<ドロボウに追い銭>とはこのことだ。
 
1.   施設・基地の提供と返還
2.   米軍等に対する日本法令の適用と基地管理権
3.   環境の保全・回復等の問題
4.   船舶・航空機等の出入・移動
5.   航空交通
6.   刑事責任
7.   民事責任
 
例えば、関東平野の広域な空域は、アメリカ軍の管制下(横田進入管制区)に置かれ、日本の民間機は、その都度アメリカの許可を取らないと通行できない。これって、おかしくないか?
 
<通称「横田空域」と呼ばれる18県(東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県新潟県、山梨県、長野県、静岡県)に及ぶ広大な空域の航空管制は横田基地で行われている。「横田ラプコン(RAPCON: Radar Approach Control の略)」とも呼ばれるこの空域はアメリカ空軍の管制下にあり、民間航空機であっても当該空域を飛行する場合は米軍による航空管制を受けなければならない。>
 
石原慎太郎が都知事の時代に、慎太郎は<こんなバカな話があるか!!>と怒りを発し、横田基地は日本と共用する飛行場にすべきだと提案している。
共用すべきかどうかは別にしても、アメリカの空軍基地と言えど、すべてを日本の管制下に置くべきではないか?
 
今回の都知事選挙では、誰もこの問題に触れていない。
小池百合子などは、横田を横目で見ながら素通りし、青梅から奥多摩に足を延ばしたにかかわらず、<東京に緑を>などと、寝ぼけたことを言っている。日本会議国会副会長などと怪しい肩書を持つのだから、せめて<東京の空域は、日本人が守る>くらいを右翼なら多摩地区で公約すべきだろう。
 
もしも、トランプが横田基地を撤退するというなら、好機到来だから、自衛隊航空基地に模様替えし、迎撃戦闘機を多数配備するしかあるまい。アメリカにカネを払うくらいなら、日本人に賃金を払った方が内需の拡大と景気循環に寄与する。
<首都の空は、日本人が守る!!>くらいの政治力があるなら、小池でも自民党でも入れてやる。
だが今の自民党は、内弁慶で国内では強がるが、アメリカ従属主義の腰抜けばかりである。
トランプに対抗し、アメリカと対等に付き合うためには、この際<民共連合>が政権を取ったほうが、米国の脅威になるだろう。日本が左傾化することは、アメリカの脅威だからだ。
 
アメリカのポチを強要された日米安保は、まさに安倍晋三が大嫌いな<アメリカから押しつけられた>不平等条約である。しかし安倍信三は憲法改正は声高に言うが、優先すべき日倍安保の改定には一言も触れないのだ。そんな腰抜けの自民党の右傾化を強めることは、アメリカの国益に適うが、日本の国益にならない。
 
都知事選もたけなわだが、安倍政権に打撃を与える<野党統一候補>の鳥越俊太郎を首都・東京知事にする選択肢は、東京の空を日本人が取り戻す早道になるのではないか。
その選択肢は、安倍晋三のようにアメリカの言うがままには、首都東京はならないといった、東京からのメッセージになるからだ。アメリカで言えば、首都ワシントンのメッセージくらい重みがある。
沖縄県民の為にも、東京都民が先頭になり、日本の空域を日本が取り戻す運動を起こしたいものだ。

都知事選、人物の真贋を見抜け
 
人間と言う動物は、変わった生き物である。
もしかして、それが人間の本能だとすれば、動物本来の生体反応なのだろうか。
そう感じたのは、今回の都知事選で、鳥越か小池かの庶民の反応が、理性とか論理性に基づくものではなく、こらえ難い生理的な感情に支配されたものだと気づかされたからである。これは世界の潮流となりつつある<反知性主義>とも違う日本独時の政治風土である。

小池はこの日本的精神風土を利用した<判官びいき>で、いじめられる女ひとりを演じている。
 人畜無害で中庸を行く増田は、敵もなく、強烈な味方にも恵まれないから、苦戦を強いられている。

都民の目は、強烈な個性を放つ小池と、自由人を貫き通した鳥越に注目が集まり出した。鳥越批判と小池批判は、ともすれば生理的な拒絶反応となって表れている。嫌いとなれば、緑のおばさんの一挙手一投足が芝居じみて嫌味に見える。鳥越のダンディーな感覚も、女たらしのジゴロとしか見えない。
鳥越と緑のおばさんに共通するのは.マスコミ出身者らしい<身だしなみ>の良さかもしれない。
 
鳥越を忌嫌う昔のボクの同僚・某氏のブログでは、鳥越をこう評している。
大体、ハンサムで頭が悪い連中の考えることは決まっている。かっこをつけ、女をひっかけることだ。鳥越は、自分が女子大生の相談に乗ってやればいちころだと考えていた。抵抗され、キス以上に行けなかったのは、彼にとっては想定外のことだったのだろう。こういう人間は、何よりも見てくれに気を遣う。>
自分には望むべきもない鳥越のハンサムな外見で、嫉妬心から支離滅裂に鳥越の人間性をワルだと決めつけ、妄想の鋳型にはめ込むのである。往々に、ネトウヨ(ネット右翼)と呼ばれる人物に多く現れる非論理的な人格攻撃である。こういうブログを展開する人物に限り、自分は論理的だと思い込んでいるから始末に負えない。
 
鳥越の政策に1ミリも賛成できないと語る堀江モンも、20日のツイッターで「20歳は淫行じゃないっしょ笑」と切りすて、鳥越に対する上記のごとき批判の声を「もてない爺さんの嫉妬でしょ笑」とばっさりである。
その上で堀江モンは、「女性問題とかで叩くのもういい加減止めにしない?」と政策に無関係なスキャンダルで立候補者を批判する風潮に疑問を示している。
 
鳥越と小池を外見ではなく、冷静に人物比較するとき、重要な視点はなんだろう。
一言で言えば、小池百合子は、人生を体制側で生きてきた。鳥越俊太郎は反体制で人生を貫いた。この差に尽きる。それは女でも男でもなければ、年齢でもなく、人としての生きざまそのものだ。
 
ボクは、メディアとは、常に在野にあって権力を監視し、批判的であるべきだと思っている。権力に迎合するメディアは、民主主義の腐敗を増殖させ、権力の暴走を促進させるバイ菌の存在である。その観点から評価すると、小池百合子は落第生。鳥越氏俊太郎はメディアの王道を歩んできた。
一切の虚飾を剥ぎ取れば、二人の違いは、体制に迎合的に生きてきた人物か、批判的な人物か、の違いしかない。
 
某氏のようなジジイの嫉妬からくる感情的な判断ではなく、論理的な判断基準を示し、ゆえに小池なり、鳥越を支持するなら、同じ土俵で論争も可能である。だがたいがいの日本人は、個人的な好き嫌いの生理反応で結論を導き出している。
 
小池をボクが嫌うのは、体制側で生きてきたくせに、手の平をひらひらと返して、体制派内を渡り歩く無節操な行動にある。小池自身が放つ強烈な女性フェロモンに惹かれる誘惑を断ち切り、理性的に政治家として評価すれば、小池百合子を軽蔑せざるをえない。
それは、説明をしなくとも、今回の立候補の経過を見れば歴然としている。昨日までの盟友であった自民党都議連を、手のひらを返して悪人に仕立て上げ、逆らうなら冒頭解散で首を切ると宣言したことで明白である。
もしも小池百合子が右翼本流であれば、一番大切な<仁義礼>を失する行動を簡単にできるはずがない。小池百合子の本質はエセ右翼である。右であれ、左であれ、状況に応じて手のひらを反す人物は信用できない。これが小池を支持できない理由だ。
 
小池百合子は、国政において右派を代表する女性であった。それがなぜか?国政を投げ打って、右翼の仮面を脱ぎ捨て、にわか都民を装い、都知事の座を狙いだした。そこには政治家としての信念のかけらも感じないし、理念もない。ボクは信用できない。
 
では鳥越俊太郎はどうか?76にしては男前を保っている。そこでボクの昔の同僚のように、偏見をもってジゴロとこき下ろす嫉妬深いジイサンまで現れる。ボクは人を外見だけ決めつける人間にはなりたくない。
 
鳥越は、毎日新聞入社以来、一貫して体制に迎合せず、報道の自由と批判精神を貫いてきた男だ。それはサンディー毎日編集長の時代にも貫かれていた。その反骨精神が買われ、ライバルの朝日新聞系列のニュース・キャスターに登用された。
そして反体制の精神を昇華させ、76歳にして人生の集大成に、安倍政権への過度な一極集中に民主主義の危機を感じ、老体鞭打って、反権力の御旗を東京に建てようと東京都知事に立ち上がった。アッパレなジイサンじゃないか。
小池とは、主義と信条は正反対だが、小池のようにヒラヒラと態度を変えることは一度もなかった。
 
小池に言わせれば、<それが政治なのよ><それが選挙なのよ>となるのだろうが、小池百合子は、政治の垢にまみれ、庶民を幻惑させる劇場型の政治屋に姿を変えてしまった。もともと、自民党に身を投じたときから、小池百合子はジャーナリストとしての矜持を捨てたのだ。
小池の長年培った政治的な手練手管はますます輝いている。それが小池百合子の政治の集大成だからだ。
 
世の中を冷静に覚醒して眺むれば、以上の状況は明々白々なのだが、人間と言う動物は、変わった生き物である。理性では理解できない感情の動物が東京都民の主流となり、小池百合子は首位をした走る勢いにある。

小池百合子の正体
 
昨日の昼過ぎだった。フジテレビのバイキングという、タレントがひな壇に並ぶ、例のごとくお手軽なバラエティー番組に、都知事候補3人がそろい踏みした。
この番組は、タモリの<笑っていいとも>の後を受け、坂上忍がメイン・キャスターを務める番組だが、視聴率は低迷を続けているようだ。坂上と言う男は子役から出ていたから知ってはいたが、芸能界が長いから今ではボス的存在、酒豪で言いたい放題の刺激が受けているらしい。
 
バラエティーらしく、和気あいあいのエール交換で進んでいたが、候補者同士が、お互いに質問をぶつけあう場面で、空気が一変してしまった。
万を持したように、鳥越俊太郎が小池百合子に質問を行う。
鳥越<小池さん、あなたは、街頭演説で「病み上がりを連れてきてどうするの?!」と発言したが、これは事実ですね
小池<<そんなこと言ってません>と、全面否定し、とぼけてみせた。
鳥越<ウソついちゃいけない。読売TVでテロップ付きであなたの演説の証拠は残っている、>
小池<記憶にないが、そういったとしたなら、申し訳ない。>
鳥越<申し訳ないと言って済む話か。あなたの発言は、がんと闘っているすべてのガン・サバイバーへの差別です。>
小池<あらそう?お体を気遣ったのよ・・>
(鳥越、小池のしゃあしゃあとした態度に、だんだん激高する。)
小池、坂上に向かって<坂上さん、これが選挙なのよ。>と笑い飛ばす。
小池、重ねて<アメリカの大統領選のトランプはね、もっと激しく攻撃している。>小池は、謝ることなく、こんなのは選挙につきもので当たり前だと開き直るから、鳥越の怒りは収まらなかった。
小池<そんな質問しかできないの?政策論をやりましょうよ。鳥越さん・・
番組は、バラエティーらしく、小池と鳥越の真ん中に座る増田に話題を切り替え、それで中庸な増田さんが真ん中の席順に座ったんだね・・と笑いにすり替えた。だが、候補者の素顔が垣間見え、面白かった。
 
この番組は即座にツイターでも話題沸騰し、非難は小池に集中していた。
ボクは、小池の「病み上がりを連れてきてどうするの?!」の発言は知らなかったが、チマタには鳥越の高齢を懸念する声が高く、いわく、<ヨタヨタ老人><痴呆症>などと罵声が飛び交っていた。
小池は、話題を換えたくて、政策論で議論と言っていたが、選挙カーでは、鳥越の身体的弱点を徹底的に攻撃したくせに、いまさら何をと白けて聞いていた。
だいたいが、<ガンからの病み上がり>だろうが、<安倍晋三のような腹痛持ち>だろうが、公党が推薦した人物だ。鳥越も意欲満々なのだ。むろん70を超えT、人間は、精力的に演説に回れない。その是非は有権者が決める問題だ。<病み上がり>をチクチクと非難するから、小池は安倍晋三からも嫌われるのだ。
これは小池百合子の人間性で、老人をいたわる気持ちのない人物が、子育て支援などできるだろうか?ボクは疑問に感じている。
 
小池百合子、さすが政界を渡り歩いた海千山千の政治家である。政治家と言うより、今や個人の権力欲を、国政から都知事の座に切り替えた政治屋と呼ぶべきかもしれない。
だがなぜ、国会議員の座を任期途中で捨ててまで、都知事選に出なければならぬのか理由がわからない。石原慎太郎などは、都知事を辞任し、再び国政に返咲いた。都知事は名誉職ではあるが、政治家にとって国政よりやりがいのある職場だろうか?

チマタでは、安倍晋三から外され、国会に居場所がなくなったので、トラバーユを試みたとウワサされている。
しかも、小池は東京都自民党副会長の要職に在り、根回しをすれば、すんなり都知事候補になるだけの政治力は備えていたはずである。
それが誰とも相談せず、突然に立候補を宣言した。
さらに意図的に、自民党都議連を敵に仕立て上げ、自らは離婚書にハンコはつかず、自民党を離党することもなく、自民党に反抗的な態度で喝采を浴びようと演出した。これを劇場型と称するらしいが、離婚書にハンコも押さずに、男から追い出されるまで威張り散らして居直る女にも困ったものだ。こういったクリンチ・寝技作戦が小池百合子の得意技である。
 
小池百合子の化粧に隠れた正体は、右翼である。
日本会議国会議員懇談会副会長>、<靖国神社に天皇陛下の御親拝を望む会会長>のいかめしい肩書からも、小池百合子の素顔を知ることができる。元幕僚長・田母神や<宗教団体・幸福の科学>が国防思想的な同志である。
小池百合子は反自民ではなく、自分こそが自民党右派の本流だと自負している。だから、自民党都議などの木っ端議員など眼中になく、冒頭都議会で都議会解散などといった物騒な言葉で、都議連中を脅しつけることができた。
 
小池百合子に投票するのもいいが、こういった彼女の怖い裏側をよく知ったうえで行動してほしいと願っている。
 
ところで、鳥越俊太郎は1940313日生まれの76歳。内閣副総理大臣の麻生太郎も1940920日生まれで、あと2か月で76歳である。
人の歳は、70を過ぎれば絶対年齢では計れない。ヨタヨタもいるし、80過ぎても元気で変わらない人もいる。
働きたい意欲があれば、経験と知識は死ぬまで生かすのが生涯イキイキ活躍社会ではないだろうか。
ボクは小池の一言で、鳥越を応援しようかと思っている。

当世 浮世事情
 
世界反ドーピング機関(WADA)の独立調査チームは、18日、ロシアが国家の主導で組織的にドーピングを行い、隠蔽(いんぺい)していた>とする報告を公表し、<全ロシア選手について、リオ五輪参加拒否を検討するよう勧告>した。
調査によれば、<不振に終わった10年バンクーバー五輪を受け、プーチン大統領が任命したスポーツ省の副大臣を重要人物と名指しし、ロシア連邦保安庁などの国家機関も関与したと認定>されている。
 
個人の名誉欲や賞金稼ぎの目的で、禁止薬物を使用する例は、個人主義の民主国家には絶えないが、ロシアや中国のように共産主義から出発した国々は、個人より全体主義が優先され、国威発揚の道具にスポーツが利用されてきた。
その最たるものが、今回のWADAの調査で赤裸々に公表されてしまった。
プーチンは、早速、<1980年代に、西側諸国と旧ソ連が、オリンピックをボイコットしあったことを想起させ、五輪の危機だ。>と声明をだした。まるで、西側諸国が、グルになってロシアをいじめているかのような論理のすり替えである。
 
いや待てよ???<男どもから、寄ってたかって、いじめられてる女です・・・>って最近、街頭で騒いでる緑の鉢巻のおばさんがいたなあ・・・・小池百合子とタスキに書かれていた。
まるで、自民党がかよわい?女性を都知事候補から締め出し、村八分にしていると言わんばかりである。
経過をたどれば、自民党都連の副会長だった小池百合子は、都知事候補者選定会議では、自らがなりたいとも手を挙げず、誰からも推薦されない逆恨みから、増田が担ぎ出される内部情報を得て、先手を打って、都知事候補に名乗り出たのだ。
この女の動機は、名誉欲である。まるで勝つためには、手段を選らばずドーピングに手を出すように、自民党批判と言う劇薬を使って…
小池は、女風見鶏と称されるくらい、世間の風を読むのがうまい。ここは、自民党都議連幹事長のドン内田や、悪評高い石原伸晃を悪役に仕立てた方が、同情票が集まると踏んだのだ。
小池のくノ一戦法は、今のとこ、まんまと当たっている。コチコチに凝り固まっていた自民党員ですら、ドン内田や石原の強引なやり方に反発し、小池になびきだした。また日ごろからの右翼的発言は、前回都知事選で、田母神が得た61万票がまるまる基礎票となっている。
その上に、普段の小池百合子の自民党右派の行動を知らないアンチ自公の無党派で政治に無関心層が、小池百合子が都庁改革のジャンヌダルクンになるかのような幻想を抱き、投票したいと言い出しはじめた。だが、世論調査では、こんな無関心層は小池に入れると言っても、実際は面倒くさくて棄権するものだ。だから浮ついた予備調査など、当てにはならない。
 
前回の都知事選の得票数を再確認すれば
 

舛添要一  211万2千票
宇都宮健児 98万2千票
細川護熙  95万6千票
田母神俊雄 61万8千票

 
ざっくり見ると500万票くらいが、鳥越・増田・小池の得票総数ではないだろうか?だとすれば、200万票が勝敗の分かれ道になる。
様々なマスコミの序盤調査では、小池が一歩リード。鳥越が追い、知名度が及ばない増田が3位となっている。
前回の舛添自公票は、増田に6割、小池に4割流れると仮定する。
さすれば、増田は130万票。小池が80万票。これに田母神の右翼票62万票がそっくり、日本会議の小池百合子に上乗せされて約140万票。
 
対する鳥越だが、宇都宮健児の98万はそのまま流れるだろう。問題は、原発廃止のシングルイシューで獲得した細川票をどう評価するかである。
少なくとも細川が得た95万票余りは、アンチ自民の票であった。鳥越俊太郎の年齢と準備不足が懸念材料になっているが、細川護熙(当時76歳)も同年齢であった。つまり細川も鳥越同様な加齢化現象が顕著であったにもかかわらず、100万票近くとった実績を考えると、鳥越の年齢が細川以上に足かせになるとも考えにくい。
細川には人気の小泉純一郎が付いていた。鳥越には、蓮舫が付いている。これまた互角の勝負である。そう考えると、細川95万票のアンチ自公の浮動票は、自公推薦の増田や右翼・日本会議の小池百合子に流れるとは考えにくい。鳥越は200万票近くに届くのではないか。
 
以上を総合すれば
鳥越俊太郎  200万票
小池百合子  140万票
増田寛也   130万票
合計     470万票
3名の合計を500万票とし、残りの30万票を小池がとったとしても170万票で鳥越には及ばないことになる。

天皇陛下の譲位を考える(2)
 
天皇陛下のご退位について、慶応大学教授・元鳥取県知事の片山善博が、今朝のテレビで不可解な発言をしていた。
いわく
「摂政の制度で、天皇の国事行為は摂政に委任することはできる。しかし、その最終責任は天皇陛下にあるのだから、陛下のお心は休まらないのではないか」と言った内容で、退位についても検討すべしとするものだった。
片山ほどの人物が、したり顔でこう話されると、そうなのかと思ってしまう。
ほかのコメンテーターは、この発言を修正しなかったが、ボクは、<片山さんよ、おかしくないかい>と思わずにはいられなかった。
片山ほどのものでも、<象徴天皇制>を正しく理解していないのではないか>と疑問に感じたからだ。
 
そもそも論だが、<天皇の国事行為に、天皇の責任はない。>のが、憲法を学んだ者の常識だからだ。
象徴天皇制の下では、憲法第3条で、<天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。>と規定されている。
更に重ねるように4条では、<天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。>とダメ押しされている。
 
天皇陛下は、<日本国の象徴>であって、一切の政治的権力を持っていないのだ。持っていないが、<象徴>として、内閣の助言と承認を得て<国事行為>と称される限定的な<国家儀礼(儀式)>の役割を担わされている。
その天皇の国事行為の責任は、すべて内閣が負うことを憲法が定めている。したがって、国事行為に関して、天皇陛下が責任を感じることは一切ないのだ。
もし、陛下が責任を感じるようなら、バカな大臣どもを親任できるはずもない。任命責任は、内閣総理大臣にあり、陛下に拒否権はない。
 
たとえて言えば、神社で玉串奉奠と言う儀式がある。玉ぐしを神前に捧げるのは参列者だが、その前に神主が榊の枝で<お清め>の習わしがある。<お清め>の際に、参列者は低頭するが、神主に頭を下げているわけではない。神にコウベを垂れているのだ。また、<お清め>をしたからと言って、悪者が混じっていても、神主に責任はない。
この<お清め>が、宮司代行の【禰宜】や【権禰宜】であったとしても、<お清め>の価値には変わりない。この神主の<お清め>を天皇の<国事行為>に言い換えて考えてればわかりやすい。
 
 
同様に、大臣親任式の国事行為の際に、大臣は親任状を陛下(摂政)から授けられ、陛下に深く低頭するが、これは日本国(すなわち、主権者たる国民)への低頭だと理解すべき行為である。つまり、国民を代行して象徴天皇が親任状を授ける儀式なのだ。
 
 
 
 
むろんのことに、摂政となった皇太子は天皇の名において<国事行為>を代行するわけだが、この国事行為の責任は、内閣が負うことになる。天皇陛下ではない。
 
片山ほどの人物が、<摂政の行う国事行為の責任は天皇にあり。>となぜ発言したのか理解しがたい。
法的には<摂政>を置くと言うのは、民法で言うところの<禁治産者>と同じ内容だから、天皇の名で行う行為は、摂政を置いた時点で、すべて天皇から免責されるのだ。
 
まあ、片山の憲法誤解はさておいて、現状では天皇陛下は、<摂政>を置かねばならぬ重篤な状況ではない。
それでも陛下が<国事行為に耐えられない。>とお考えだとするならば、皇室典範を変更するしかないだろう。

改正点は、<摂政を置く場合の要件の緩和>または、<譲位・退位の規定>である。
ボク個人は、一種の定年制のように<摂政を置く場合の要件の緩和>が良いのではないかと思う。
例えば、天皇が<後期高齢者>の年齢に達すれば、いつでも天皇の発意で、国事行為を代行する摂政を置くことができる。と言った内容ではどうだろうか?

天皇陛下の譲位を考える
 
天皇陛下が譲位(退位)をお考えだと報道されている。
陛下御自身が発言されない限り、御意思がいかなるものか勝手に政治家が忖度し、この問題を審議することはできない。
それは、戦前の軍部が天皇を政治的に利用してきた苦い経験があるるからだ。
 
そこで皇室制度を理解するうえで、現行の法律を正しく理解してみたいと思う。
皇室に関する法律を<皇室典範>と言う。この第四条では、
天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。 」と決められ、天皇位は、ご崩御されるまで譲位も退位もない規定だ。
 
仮に、譲位や退位ができる法的環境を整えるとすれば、憲法の改正は必要ない。
日本国憲法の第二条には、「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範 の定めるところにより、これを継承する。」とあり、憲法では、世襲が天皇のご崩御でなければならないとまで規定されていない。
したがって、世襲(皇位継承順位)の基準に合致すれば、皇室典範第4条を改訂することで譲位は可能となる。
<皇位は、天皇が崩じたとき、または自ら退位されたときは、皇嗣が、直ちに即位する。」と皇室典範を改訂する国会決議で、譲位も退位も可能となる。むろん、譲位に伴う皇室財産の規定や、皇位継承順位の繰り上げ、譲位された天皇の呼称や待遇なども検討され改訂されることが必要になる。
例えば、譲位された天皇は皇族を離れ、一国民となられるのか?あるいは、退位されたあとも再び天皇に返り咲く重祚(ちょうそ)が可能なのか?とか、いろいろな検討課題が残るので、<はいそうですか。では皇太子殿下にお譲りください。>とするわけにもいかない。
 
現行の法律では、陛下が、ご高齢のため、憲法に定める<国事行為>の遂行が難しいとお考えだとすれば、天皇位を代行する<摂政>を置くことができる。
 
憲法 第五条  
皇室典範 の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。 >
 
摂政について皇室典範162項では
<天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。」ことができる。>と定められている。

この摂政の順位は、皇室典範17条による。
<摂政は,次の順序により,成年に達した皇族が就任する。>
1 皇太子(皇太孫)
2 親王・王
3 皇后
4 皇太
5 太皇太后
6 内親王・女王
 
以上のように、陛下がご退位しなくとも、皇太子殿下を<摂政>に置くことで、国事行為が滞ることもない。すぐに、天皇陛下のご負担を軽減が必要なら、皇太子殿下が<摂政>となり、国事行為を代行することである。
また、天皇家独特の祭祀も、<摂政>が代行してお勤めになられることは可能である。
 ただし、皇太子殿下の地位はそのままで、摂政を兼務するだけだから、皇位継承順位第3位の秋篠宮 文仁親王殿下と、4位の秋篠宮家 悠仁親王殿下の地位に変動がない。
もしも、人が年齢順に亡くなるとすれば、皇位は現皇太子殿下、秋篠宮殿下、そして秋篠宮家の悠仁親王殿下に引き継がれることとなる。
 
ところで日本国憲法第一条では、<天皇の地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく>とあり、天皇を日本国に置くかどうかは、共産党が言うように<国民の総意>で廃止することも憲法改正で可能である。
その法的手続きは、<国会の発議により、両院の総議員の3分の2以上の賛成により国民投票にかけられる。国民投票の過半数で成立する。>ことになる。
だが幸いに、天皇制について廃止を考える日本共産党ですら、<現行憲法の護憲>を明示し、歴史的に国民合意が形成されている象徴天皇制について憲法改正は行わはないと言っている。
 
国事行為以外に天皇・皇后両陛下は、外国賓客の接遇のほか、外国ご訪問、新年一般参賀へのお出まし、全国植樹祭や国民体育大会へのご臨席、災害地へのお見舞い、戦没者慰霊祭など、多くの公的行為が目白押しでお忙しい。
ただしこれは、憲法によって天皇に課せられた義務でもなく、昭和天皇からの皇室行事の慣例を引き継がれている。しかし、この皇室の公的行為も、<摂政>を置くことで、皇太子殿下が代行することで、天皇陛下のご負担の軽減は可能だと考えられる。
 
と言うことで、ボク自身は、皇太子殿下が<摂政>に就くことが、譲位や退位より良いのではないか?と考えている。
 ともかくも、天皇陛下のご真意が表明されないと、うかつに、この問題を取り上げるわけにはいくまい。
 

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