「朕が国家なり」とは、ルイ4世の言葉だそうだが、最近の安倍晋三の言動はそれに匹敵する中世の絶対君主である。
第一の問題は、集団的自衛権」の法を捻じ曲げた憲法解釈である。さらには、「武器3原則」を切り崩し、友好国への武器輸出を解禁した。<死の商人>をもって、国家を形成するなど、第一次世界大戦時のドイツ帝国時代の製鉄王クルップを想起させる。もっとも安倍晋三は神戸製鋼に勤務した経験があるそうだから、大型鍛造による武器製造が儲かることくらいは頭の片隅にあるのかもしれない。
ボクは自国防衛のためにだけ、武器を保持し、製造することは許されると思っている。だが人を殺す道具を、戦争を放棄した日本が輸出し、他国の戦争で儲けることは国是として許容されないし、憲法九条の理念とも背反する。
憲法の法規制とは、為政者の勝手な解釈で恣意的な運用はできない仕組みなのだ。それが市民革命を経て人類が獲得した現代の憲法の骨格である。
いくら占領軍により押し付けられた憲法だとは言っても、「立憲主義」「法治国家」「法の支配」の原理原則は、あくまで、<権力は法の支配の元に置かれ><個人の尊厳と自由>が国家権力により侵されないために創られたものが日本国憲法だといえる。押し付けであっても、人類が到達した優れた法概念に変わりはない。
こんなことは、成蹊大学法学部でも憲法原理を受講していれば、常識として植えつけられているはずだ。安倍晋三の憲法解釈論は、卒業単位すらもらえぬ落第生程度の頭脳といえる。
日本国憲法の特徴ある神髄ともいえる<憲法9条>をなし崩しに時の為政者が解釈改憲するなどは、<銃殺刑>に等しい国家(国民)反逆罪である。
何とも出来の悪い法学部出身者が、日本の最高権力者に君臨するとは、日本も情けない国家に転落したものである。
むろん、国民の3分の2以上の同意があれ憲法は改憲できる。
<法の支配>とは<適法手続(due process of law)>によらぬ限り、<国民の生命もしくは身体の自由は奪われない>と日本国憲法31条には明記されている。
安倍晋三のように、超法規的に憲法解釈を自分勝手に捏造し、国民を戦争に巻き込み、国民を死地に赴かせることは<民主主義>の崇高な理念さえ踏みにじる暴挙なのだ。
百歩譲って、安倍晋三のような軍国主義者の考えに同意したとしても、<法の支配>の下では、政治家は国民の三分の二以上の賛意を得て、改憲の手続をするのが民主主義のオキテなのだ。
それが、三分の二以上の同意を得るにはムズカしい。手続きに時間がかかりすぎて国際情勢に日本は貢献できない・・・国際法では集団自衛権が認められている・・ウンヌンと屁理屈を講じ、オキテ破りの集団自衛権の閣議決定は、法の根本精神からはなはだしく逸脱した国民反逆罪だと断定される。