目下のところ喫茶店の営業は、週3休4勤体制である。
営業時間は2時~7時半まで。月の営業が15日程度だから、1カ月フルに働いて67.5時間。といっても、6時半までにお客さんが見えないと、いそいそと閉店してしまう。実質の勤務時間は月60時間未満。目標は40時間程度。会社員時代の2~3割程度の労働である。
更に、勤務地までの移動時間は、1分もかからない。その上に、待機時間は奥の事務室で居眠りに、パソコン相手のツィター三昧だから、隠居のヒマつぶしには恰好な職場である。
職場と云っても、実質的な労働対価はゼロである。そればかりか、電気代・消耗品代を考えると、大幅な赤字である。開業前は、家賃相当分くらいの収入を最低限と考えていたが、とんでもない誤算だった。正直なところ、場所は無償提供。むろん労働対価は無限にゼロにちかい。
集客人数は、あまりにも少ないので恥ずかしくって公表できない。事業と云うより、ボランティアー活動の一環で、音楽を聴く場を設けているとでも納得しないと、アホらしくて続けられない。事実、団塊世代の時間つぶしの場を作りたい一心で作った店だ。もはや少しでも年金の足しになどと云った邪念は消えてしまった。
それでもあるお客さんは、<NORIさんはいいな。趣味でやってるから・・・><え?こんなに安くていいの・・>と云うのだ。それが毎回となると嫌味に聞こえる。
そんなときボクは、半ば冗談、半ば本気で、<安いと思われるなら、倍でも3倍でも、チップを払っていただいて結構ですよ・・・>と返すのだが、お客様は、釣りをきっちりともらって帰っていく。
ボクは別にチップを当てにして経営しているわけでもなし、チップをいただいたところで、いかんせん絶対的に集客数が少ないから焼け石に水である。<同情するよりカネをくれ!>なんて、チンケな気持ちは、これっぽっちも持っていない。
同情いただくなら、毎日でも遊びに来ていただくのがうれしいのだ。そのために料金は抑えている。
常連のNさんは、そんな気持ちを察してくれる方である。いい店だから続けてほしと、毎日のように寄ってくれる。ボクもうれしくて、ウイスキーダブルの大盛りをサービスしちゃうのだ。
考えてみれば、シーバース12年ダブルで550円は安いし、ワインダブルの550円も安いに違いない。珈琲だって作り置きじゃなくて、1杯1杯こだわりの豆を手製でドリップする。お茶を立てる要領である。繁華街なら間違いなく倍はとるだろう。
仕入れ原価に相応した高い値段設定にしない理由はある。
問題は店主のサービス精神なのだ。きちっと蝶ネクタイもしないし、態度も洗練されていない。お客さまを<御主人さま。お帰りなさい>などと、媚びた愛嬌を振舞うわけでもない。卒サラの無粋なジジイの店なのだ。そこを割り引くと、こんな価格が妥当だろうと納得している。
安いからと云って、安物を仕入れているのでもない。自分で飲んで満足するものをお出ししている。紅茶だって、デパートに出店するLUPICIAから、ダージリン、セイロンウバを正規料金で仕入れてくる。それで2杯はとれるポットに入れて600円。使用するカップはウエッジ・ウッドかロイヤル・コペンハーゲンである。カップをケチっては折角の飲み物も美味くない。
ミルクだって、クリープなんて使わない。純正の生クリームである。紅茶には生乳。1週間しか持たないが半分以上は残る。自分では太るので飲まない。第一に珈琲に生クリームはボクの趣味ではない。もったいないが、残りの牛乳は庭に撒いて肥料代わりに消える。
お客様には、優雅な気分で、すこし儲けた気分で、音楽を楽しんでいただきたいのである。
それで、気の毒に思うのだろうか。ときどき釣りはいいよって、お釣りの50円をチップ代わりにおいてくれる奇特なお客様もいる。そんな時はありがたく頂いておく。こんな店だから、おカネもなんだからと思うのだろうか。いろいろな差し入れもいただく。それもうれしい。
今はおカネに代えられない人間関係が、店を続ける原動力で楽しく働いている。
営業時間は2時~7時半まで。月の営業が15日程度だから、1カ月フルに働いて67.5時間。といっても、6時半までにお客さんが見えないと、いそいそと閉店してしまう。実質の勤務時間は月60時間未満。目標は40時間程度。会社員時代の2~3割程度の労働である。
更に、勤務地までの移動時間は、1分もかからない。その上に、待機時間は奥の事務室で居眠りに、パソコン相手のツィター三昧だから、隠居のヒマつぶしには恰好な職場である。
職場と云っても、実質的な労働対価はゼロである。そればかりか、電気代・消耗品代を考えると、大幅な赤字である。開業前は、家賃相当分くらいの収入を最低限と考えていたが、とんでもない誤算だった。正直なところ、場所は無償提供。むろん労働対価は無限にゼロにちかい。
集客人数は、あまりにも少ないので恥ずかしくって公表できない。事業と云うより、ボランティアー活動の一環で、音楽を聴く場を設けているとでも納得しないと、アホらしくて続けられない。事実、団塊世代の時間つぶしの場を作りたい一心で作った店だ。もはや少しでも年金の足しになどと云った邪念は消えてしまった。
それでもあるお客さんは、<NORIさんはいいな。趣味でやってるから・・・><え?こんなに安くていいの・・>と云うのだ。それが毎回となると嫌味に聞こえる。
そんなときボクは、半ば冗談、半ば本気で、<安いと思われるなら、倍でも3倍でも、チップを払っていただいて結構ですよ・・・>と返すのだが、お客様は、釣りをきっちりともらって帰っていく。
ボクは別にチップを当てにして経営しているわけでもなし、チップをいただいたところで、いかんせん絶対的に集客数が少ないから焼け石に水である。<同情するよりカネをくれ!>なんて、チンケな気持ちは、これっぽっちも持っていない。
同情いただくなら、毎日でも遊びに来ていただくのがうれしいのだ。そのために料金は抑えている。
常連のNさんは、そんな気持ちを察してくれる方である。いい店だから続けてほしと、毎日のように寄ってくれる。ボクもうれしくて、ウイスキーダブルの大盛りをサービスしちゃうのだ。
考えてみれば、シーバース12年ダブルで550円は安いし、ワインダブルの550円も安いに違いない。珈琲だって作り置きじゃなくて、1杯1杯こだわりの豆を手製でドリップする。お茶を立てる要領である。繁華街なら間違いなく倍はとるだろう。
仕入れ原価に相応した高い値段設定にしない理由はある。
問題は店主のサービス精神なのだ。きちっと蝶ネクタイもしないし、態度も洗練されていない。お客さまを<御主人さま。お帰りなさい>などと、媚びた愛嬌を振舞うわけでもない。卒サラの無粋なジジイの店なのだ。そこを割り引くと、こんな価格が妥当だろうと納得している。
安いからと云って、安物を仕入れているのでもない。自分で飲んで満足するものをお出ししている。紅茶だって、デパートに出店するLUPICIAから、ダージリン、セイロンウバを正規料金で仕入れてくる。それで2杯はとれるポットに入れて600円。使用するカップはウエッジ・ウッドかロイヤル・コペンハーゲンである。カップをケチっては折角の飲み物も美味くない。
ミルクだって、クリープなんて使わない。純正の生クリームである。紅茶には生乳。1週間しか持たないが半分以上は残る。自分では太るので飲まない。第一に珈琲に生クリームはボクの趣味ではない。もったいないが、残りの牛乳は庭に撒いて肥料代わりに消える。
お客様には、優雅な気分で、すこし儲けた気分で、音楽を楽しんでいただきたいのである。
それで、気の毒に思うのだろうか。ときどき釣りはいいよって、お釣りの50円をチップ代わりにおいてくれる奇特なお客様もいる。そんな時はありがたく頂いておく。こんな店だから、おカネもなんだからと思うのだろうか。いろいろな差し入れもいただく。それもうれしい。
今はおカネに代えられない人間関係が、店を続ける原動力で楽しく働いている。