イヤハヤまったく、とんだ時期に遭遇したものである。
建築物価が高騰した春先に建築契約を結ぶ羽目となり、サブプライムローンのトバッチリで不動産が下落した時期に、家を売らなければならない羽目になってしまった。
その結果、建設予算は1割ほど上回り、家の売却は2割以上も目算が狂ってしまった。それでも不動産は、まだ下落するのではないかと期待され、買い渋りの<長考>に入ってしまったのだ。
だいたい<両親と相談して決めたい・・>なんていう手合いは、即断できない優柔不断だから当てにできない。それに近隣の建売住宅が投げ売り状態だから、中古住宅よりも新築に目がくらんでしまう。
そんなこんなで売却の目途が立たず、ここ3カ月ほどは浮かない日々を送っている。何としても家の引き渡し予定の3月31日までには、家を売却しなければ新居が宙に浮いてしまう。
そこで、万が一に3月末までに売却ができない場合の住宅ローンを銀行に依頼した。だがことごとく断られてしまった。理由はこうである。
・年金が主な返済原資のNORIさんには、たとえ賃貸収入があったとしても融資資格を与えられない。
・2世帯共同住宅は、年金生活者でも親子ローンなら可能だが、義兄弟の2世帯住宅は権利関係が他人と見なされるので融資対象にならない。
・家が売れるまでのつなぎ融資は、短期なので住宅ローンの対象外。
つまりNORIさんは、融資適格条件に当てはまらないから貸せないと銀行は云うのである。だが定期預金はそん所そこらのサラリーマンより積み立ててある。にもかかわらず、金は貸せないと融資センター長が廻りくどく説明するのだ。
しかしまだ定年まで2年近くある義弟なら、80歳まで融資が可能だと銀行はノタマウのだ。つまり義弟なら退職金で繰り上げ返済が期待できるし、定年延長の可能性もあるからなのだと云う。
それにひきかえNORIさんは退職金も貰っちゃったし、<タラタラ飲んで何もしない>グウタラ隠居・・・なんで融資できるのだと、慇懃無礼なセンター長の笑みがすべてを語っていた。
一流会社に40年近く働いていたとしても、退職すれば屁の突っ張りにもなりゃしない。麻生じゃないが、そんなヨボヨボ爺さんには、融資も高齢者医療も期待できない世の中なのである。隠居のジイサンは、年金手帳を担保にチマタの悪徳金融業者から金を借りるしか手がないのが現実のようだ。
まあ理由はともかく、このさい誰の名前でも必要資金が調達できればそれでよい。義弟への住宅融資と云う名目で大銀行の融資審査を通してもらい、最悪の場合の金融対策の目途はたった。
それにしてもアメリカ発の不動産への風評被害はひどいものだ。チマタのマンション・建売業者は、過度の銀行の貸し渋りで運転資金が枯渇し、投げ売りで現金回収に四苦八苦。
だが不動産業者の在庫一掃がすめば、需給バランスは供給不足に陥るはずだ。来年度には、供給も大幅に激減する見通しだから、売り手有利に好転すると思うのである。
ワタシャは、いま売れなくたって、売らないかぎりは資産が減るわけでもない。借金は嫌だが、返す当てもある。賃貸すれば、収支のバランスだってとれる。ここは値下げも売り急ぎもせずに、辛抱することだ。たぶん不動産下落は、この年末が底だろうとタカをくくることにした。
ところで家は買う時も、売る時も<思い立ったら吉日>なのである。人生は一寸先が闇。と云っても光明だって射すのである。解らぬ先のことをウジウジしていては、チャンスの神の前髪をつかむことは出来ない。チャンスの神の後ろ髪は、ツルッパゲなのだそうだ。つかみたくたって髪の毛がないのでつかみ様がない。あッ、あの時が買いだった・・と思っても、もう遅いのである。
写真は3連休でにぎわう外苑の銀杏並木です。今週末が黄金色にかわるピークではないでしょうか。今週末あたりがチャンスでしょう。
<熟し柿 まだよ まだよで 鳥の餌> NORI翁