“Every cloud has a silver lining ” と云うことわざがイギリスにあるそうだ。日本では、「憂いの陰に光あり」である。すべての現象には、波があり、光があり、陰がある。太陽は必ず昇るものだ。
時価総額と云ったアブク数字で、赤だ、黒だと懐具合を計算するのは、とりこし苦労と云うのだ。空売り防止とか、金融危機を防止するには、昔のように「米本位制」とか「金本位性」のような換金価値が貨幣の基本になければならぬ。
アイスランドのように国民総生産(GDP)の6倍を上回る銀行借財を抱えていては、国家ごとロシアに身売りしなければ助かりそうもない。国家とは常々金融の暴走を監視しなければならぬ義務を国民に負っている。今回の金融危機では、市場原理に委ねる規制緩和の限界を感じる。
では日本はどうなのか?国家の借財は925兆円を上回るそうだ。だがこの国民は、貯蓄が大好き人間なので、総貯金額は950兆円を上回るといわれる。つまり、日本人はアイスランドのようにロシア人の奴隷にならず、かろうじて裸一貫で出直す覚悟さえあれば、外国へ奴隷に売られずに国家が保たれるだろう。
ましてや金融不安や先行き不安をマスコミがあおるから、金があっても先行き不安で貯金に回すのがこの国の国民の習い性なのである。ますます団塊の退職金は、埋蔵金で蓄えられていくだろう。定住農耕民族のDNAは、この世代にも受け継がれている。
400円のカップラーメンを食べる麻生君は、株価動向に<一喜一憂せず>と云い放ったが、さすが世俗を超越したセレブ宰相だ。こんな不透明な時には頼もしく見える。
金持ちとは、元来ケチなものかと思っていたが、緊急経済対策で庶民に施しをするそうだ。素浪人には正直ありがたい。
早速我が家でも、どう分配しようかと相談をした。むろん<半分ずつ好きに使おうぜ>と衆議は一決。私なんぞ中古レコード屋かブックオフに消えてしまうから、生産分野には寄与できない運命が待っている。
<入りを量りて、出ずるをなす>と漢の儒学者の言葉が「礼記」に残されている。まだ日本は、百余国に分かれて抗争した時代の言葉が今日でも財政の基本なのである。しかるに、いくら緊急事態だからと云って、3年後の増税を予告しての施し対策はいかがなものか??・・これで一時の国民の不安感が除かれれば安いものであるが・・・。
ジャケットは、アーネスティン・アンダーソンの“When The Sun Goes Down”から。明日から3連休です。連休明けには、アフリカ大陸の奴隷の血を受け継ぐオバマさんが大統領に選出されるでしょう。世の中チェンジです。太陽は沈んでも、月は照る。ではみなさんTGIF。